エアークラッチ主に主機前駆動装置に使用、エンジンの回転力を発電機などへ伝達します。

エアークラッチ

 エアークラッチ用エレメントは内燃機関(エンジン)からの動力を伝達、遮断する際に使われています。
エアーチューブを空気圧で膨張収縮させることで摩擦力を制御し,内燃機関(エンジン)の回転力を、船上の発電機や油圧ポンプ等の駆動力として伝達する仕組みです。

チューブの弾性により、衝撃・振動・捻れの吸収緩和し、多少の軸心の誤差を許容出来ます。
円周方向作動の為、クラッチONの時は軸、軸受け、歯車等に余分なスラストがかかりません。
また解放構造の為、熱放散に優れております。
遠隔操作が容易に出来、省力化に最適です。
構造が極めて簡素化されており、構成部品も少ない為、組み付けや保守が容易です。

当社の舶用製品
当社の舶用製品

弊社では下記の図のような主機前駆動装置を作製し、エアークラッチ用エレメントを用いています。

図の左側に配置したエンジンから、シャフトへ動力が伝わり回転します。

図の右側のシャフトを駆動させたい時にエレメントを作動させ、エンジンからの動力を伝えます。

エアークラッチは、エレメントとその相手となるドラム、スパイダーなどから構成されています。


主機前駆動装置エアークラッチの構成
エアークラッチの構成

横引型エアークラッチ

Aタイプ

横引型エアークラッチ Aタイプ

Bタイプ

横引型エアークラッチ Bタイプ


注記 エンジン継手は別途です。

発電機直結型エアークラッチ

Cタイプ

発電機直結型エアークラッチ Cタイプ

Dタイプ

発電機直結型エアークラッチ Dタイプ


注記 エンジン継手は別途です。
16CB-Mの場合は6Pの発電機仕様になっています

クラッチ選定表

伝達力 (PS)
エアークラッチ使用時の回転数

本表の使い方

所要伝達力と回転数から適正なクラッチサイズを選定する為には、まず回転数欄に所定の回転数を求め、その下に記入されている数値の中から所定の伝達力に最も近い数値を求め、この位置から左端のクラッチサイズ欄に記載されたクラッチサイズが最も適当なクラッチです。

例)200PS×800rpm、800rpmの縦軸より200PSの位置を求め、横軸の14CBを選定します。

注意
  1. 選定されたクラッチの安全率は、表示伝達力に対して1.8倍となっております。
  2. 使用空気圧8kg/cm2として選定しております。
    但し、12CB型以上の許容しよう空気圧は9kg/cm2迄です。
  3. 特殊仕様のものに対しては弊社までお問合せください。

集魚灯用発電機駆動のクラッチ選定

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KVA×1.5(係数) = 上表の伝達率

例) 100KVAの発電機をエンジン1500rpmで駆動するときは
100KVA×1.5=150PS
上表より1500rpmの項を下に見て187PS、これを左に見て10CB-M型となります。

I クラッチ・ブレーキの主な計算式

  1. トルクの計算

    • T=9550・P/n=7017・PS/n
  2. 平均動摩擦トルクの計算

    • 1) 負荷トルクのない場合
      Td=J・n/9.55tae
    • 2) 負荷トルクのある場合
      起動加速 Td=(J・n/9.55tae)+Tl
      減速停止 Td= (J・n/9.55tab)-Tl
  3. 動作時間の計算

    • 1) 負荷トルクのない場合
      tae=tab=2π・J・n/60Td=J・n/9.55Td
    • 2) 負荷トルクのある場合
      起動加速 tae=2π・J・n/60(Td-Tl)=J・n/9.55(Td-Tl)
      減速停止 tab=2π・J・n/60(Td+Tl)=J・n/9.55(Td+Tl)
  4. 仕事の計算

    • 1) 負荷トルクのない場合
      Ee=Eb=J・n2/182
    • 2) 負荷トルクのある場合
      起動加速 Ee=(J・n2/182)・(Td/Td-Tl)
      減速停止 Eb=(J・n2/182)・(Td/Td+Tl)
  5. 仕事率の計算

    • 1) 負荷トルクのない場合
      Pe=Pb=(J・n2/182)・(Nc/60)
    • 2) 負荷トルクのある場合
      起動加速 Pe=(J・n2/182)・(Td/Td-Tl)・(Nc/60)
      減速停止 Pb=(J・n2/182)・(Td/Td+Tl)・(Nc/60)
  6. 寿命の計算

    • L=V/w・Ee(orEb)=Et/ Ee(orEb)

記号説明

T:トルク(Nm)
P:原動機出力(KW)
PS:原動機出力(HP or hp)
n:クラッチ・ブレーキ軸の回転数(r/min)
Td:クラッチ・ブレーキの動摩擦トルク(Nm)
J:系のクラッチ・ブレーキ軸換算慣性モーメントの総計(Kcm2)
Tae:クラッチの実連結時間(s)
Tab:ブレーキの実制動時間(s)
Tl:負荷トルク(Nm)
Ee:クラッチの連結仕事(J)
Eb:ブレーキの制動仕事(J)
Pe:クラッチの連結仕事率(W)
Pb:ブレーキの制動仕事率(W)
Nc:クラッチ・ブレーキの作動頻度(回/min)
L:寿命までの連結(制動)回数(回)
V:摩擦板磨耗限度までの総体積(cm3)
w:磨耗率(cm3/J)
Et:磨耗限度までの総仕事(J)

Ⅱ カップリングトルクの計算式

  1. 定格トルク

    • T=9550・P/n=7017・PS/n
  2. 設計トルク

    • TD=T・K

記号説明

T:定格トルク(Nm)
TD:設計トルク(Nm)
P:原動機出力(KW)
PS:原動機出力(HP or hp)
n:カップリングの回転数(r/min)
K:サービスファクター

エアークラッチの修理、エンジン換装の改造を承っております。

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