粉体成膜用ALD装置原子層1層枚の均一なコントロールを行い、高膜質・段差被膜性の高い成膜が可能な、研究開発用の小型原子層堆積装置です。
SAL1000B
粉体への全周囲成膜を可能にしたALD
卓上型の研究開発用成膜装置
POINT
- 傾斜+回転+振動で粉体へ成膜可能
- 傾斜角度は水平から45°まで調節可能
- 実は4インチの基板も成膜もできる
本体寸法
W582mm×D450mm×H410mm
プリカーサ | 膜厚分布 | 基板加熱 | 複合化 |
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2個 | ≦±3% | 350℃ | × |
概要・用途
研究開発用の粉体成膜に特化したALD装置(原子層堆積装置)です。
ALD装置は1原子層毎の精密な堆積制御を実現し、均一で凹凸部に対しても段差被覆性に優れた薄膜成形成を可能にする原子層堆積装置(ALD=Atomic Layer Deposition)です。
前駆体と呼ばれるプリカーサボトルに入れた原料を成膜材料として、水やオゾンとの表面化学反応により酸化膜(AL2O3、HfO2、SiO2、TiO2)の成膜をすることができます。
SAL1000Bはプリカーサを2系統搭載した、粉体成膜用途のデスクトップ型ALDです。
粉体への全周囲成膜を可能としたことにより、粉体や粒状の材料に関わる分野で新素材の開発などに活躍します。
※例に挙げている膜種に関しては、弊社では実証できていないものが含まれております。
特徴
【特徴1】高品質な成膜分布
基板サイズφ100mm以内に対し、±3%の膜厚分布の性能です。
基板表面に1原子層ずつ均一でピンホールフリーのレイヤー成膜が可能です。
段差被覆性に優れていますので、凹凸表面形状や三次元形状への成膜に適しています。
40μmのNi粉体へのAL2O3成膜事例 成膜前(光学顕微鏡観察)
40μmのNi粉体へのAL2O3成膜事例 成膜後(光学顕微鏡観察)
【特徴2】シンプルで簡単なハード系操作
基板のセットは本体上部のハッチを持ち上げて、露出する基板ホルダー上にウエハーやサンプルを乗せて、再びハッチを閉めるだけ。排気操作用のボタン(誤操作防止カバー付)とガス流量調整用バルブも操作しやすいフロントパネルに配置しています。
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ハッチを外した状態
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デポとベントの操作ボタン(誤操作防止カバー付)
【特徴3】小さい画面でも使いやすさを追求したソフトウェア
タッチパネルのソフトウェアは成膜時の状態を認識しやすい画面レイアウトを設計しました。
プロセス中は圧力トレンドグラフ、圧力、成膜サイクル数、成膜サイクル残数、ガス流量、ヒーター温度情報などが読み取れます。その他にも装置の運転や維持に必要とされる各種メニューを分かりやすく設計しました。
画面見本
【特徴4】傾斜可能なデザイン
粉体の成膜を効率良く行うため傾斜フレームの調整により最大45°前傾させた状態で成膜をすることができます。傾斜フレームには転倒防止のため装置背面側に固定用のボルト穴が取りつけできる構造になっています。
0°(水平) | 25° | 40° |
【特徴5】持ち運びを考慮したデザイン
卓上型の装置として、簡単に設置場所から動かせることを重視し、本体側面に大型のハンドルを付けました。持ち運びしやすいデザインで作業者も安心してお取り扱い頂けます。本体重量が50kgあるため、持ち運びは必ず大人2名以上で作業してください。
製品紹介動画
SAL1000B仕様表
SAL1000B外観図
オプション
SAL1000Bに追加できるオプションです。
【特徴1】基板回転機構
基板ホルダーの回転機構を追加することができます。
【特徴2】オゾン発生器
オゾン(O3)発生器を使用し、水(H2O)のプリカーサの代わりとすることで酸素原子を反応させ薄膜形成に活用できます。水を入れないことにより真空排気時の時間短縮にも効果が期待できます。また、低温での成膜も可能になります。
【特徴3】排ガス処理装置
ALD処理で発生する未反応の前駆体成分を排気経路の途中で高温加熱し無害化させる装置を販売しています。当社ではAL2O3を使ったプロセス等で実績があります。ALD装置で使用することを前提とした流量の範囲であれば効果が得られます。
【特徴4】ドライ真空ポンプ
真空ポンプをロータリーポンプからドライポンプに変更可能です。クリーンルームへの設置条件では基本的にドライポンプが求められます。当社は非接触式の多段ルーツ式ドライポンプを選定しております。プロセス条件によってはポンプ保護も含めたシステム延命化のため、ポンプへのN2ガス導入などを推奨することがございます。
【特徴5】プリカーサ加熱用ヒーター
プリカーサボトル内の前駆体の気化を一定に保つため、標準でMAX150℃のプリカーサボトル用ジャケットヒーターを用意しておりますが、MAX200℃のジャケットヒーターへの交換が可能です。熱電対も配線されておりヒーターの設定温度とプリカーサの実温度は操作パネルで制御と確認ができます。
修理・改造
弊社装置に関わる保守サービスは、北海道の本社及び静岡県の拠点から技術者を派遣して対応致します。また、改造・保守に関わる事前お打合せについては北海道と関東地区に駐在している営業担当者にて対応致します。
装置の導入後も安心して装置をご使用頂けるよう体制を整えております。
装置の御納入後の定められた保証期間内は、弊社が定める一定の条件(天災や誤った使用方法に起因する故障)に含まれない初期不良等の不具合に対しては無償による修理対応を行います。
詳細はお問い合わせください。
修理メンテナンスメニュー例
- 装置の定期メンテナンス、不具合時のサービス対応。
- 装置の改造や機能追加、それらに伴うプログラムソフトの変更。
- 装置の移設、レイアウト変更。
- オペレーショントレーニング。(ユーザー様の運用担当者の交代時など)
- 消耗品の購入。
- シールド部品に付着した膜の洗浄及び再ブラスト処理。
- メール、お電話等で解決するご質問。
改造
装置の導入後でも、実験内容や使用条件の変更に伴う改造に関する業務を承ります。
【改造事例】
- 各種の機能追加変更や部品交換。
- 特殊形状用サンプルホルダーの製作。
- プログラムの改良、アップデート。
- 補助ポンプの大型化。
- その他、ご要望に応じた改造、現地サービス。