最近、ニュースやネットで騒がれている「半導体不足」。いくら話題のニュースでも身近に感じられない人もいるかと思います。
知らないようで、実際に半導体不足は私たちの生活にも影響を与えています。
半導体がわからないという人は、半導体自体がどういったものか知っていくことでわかりやすく理解できます。
そこで今回は、半導体の製作工程でも使われる装置を作っている菅製作所が、半導体が全くわからない人向け、よりわかりやすく図解を使って説明します。
この記事を読めば、半導体がどうして世界中で問題になっているのか、私たちの生活にどう影響があるのか納得できると思います。
ぜひ、参考にしてみてください。
目次
半導体って一体になに?わかりやすく図解で説明
半導体は、全ての電子機器に入っているほど重要な部品です。
物質には電気を通す「導体」と、電気を通さない「絶縁体」に分けられます。
半導体は、導体の半分という意味で、電気を通す場合も、電気を通さない場合もある仕組みになっています。
この仕組みにより電気を制御することが可能なのが「半導体」なのです。
半導体をいっぱいまとめたものは「集積回路」とも呼ばれます。
半導体は、今のところ、洗濯機・冷蔵庫・パソコン・スマホ・テレビゲーム・美容器具などほぼ全ての電化製品に使われ、電子機器には欠かせない部品なのです。
上記の画像を例に、半導体は電子機器の中に小さく埋め込まれています。
半導体不足はどうして起きたの?
全ての電子機器に必要な半導体は現在、世界レベルで不足しています。
どうしてこんな事態になってしまったのか、いくつか要因があるので説明します。
電化製品の機能が向上したことで、その分の電子回路が必要になったため需要が増えた
昔は、スマートフォンや太陽光パネルは必要ありませんでした。
家電製品の機能も汚れを落とす単純な機能だけでしたが、現代では、機能性が重視され、汚れを勝手に感知して洗浄する洗濯機など、現代人の都合に合わせて製品が開発されます。
電子機器の機能性があがるほど「半導体」はどんどん必要になっていくのです。
新型コロナウィルスによるノートパソコンの需要が増えた
ここ2年で「半導体不足」が著明となっています。
それには、新型コロナウィルス感染予防の影響で、テレワークが普及し、ノートパソコンを導入・購入する企業や人が増えたことがあります。
ノートパソコンは集積回路の塊、つまり半導体をたくさん使う電子機器なのです。
電気自動車の開発・普及に向けての取り組みのため
2035年までには、電気自動車を100%普及するという旨が発表されました。
ガソリン車の販売は廃止され、電気自動車の販売が増えようとしている時代。
電子自動車もまた電子回路の塊、つまり半導体が多く使われます。
半導体を供給する工場があまりない。需要ばかりが一方通行で増えている
半導体はイレブンナインという「シリコン」から作られます。
このシリコンは高純度のシリコンで、自然界からシリコンを採取した後に、イレブンナインに精錬し製作されます。
この作業には、多額の資金、最先端の技術、工場の建設が必要で、多くの電化製品会社は自社で作らず輸入品で半導体を得ているのです。
そのことで、半導体の生産が追いつかず、需要ばかりが増えていきました。まさに半導体を取り合いしている状況が世界中で起こっているのです。
半導体不足が原因で私たちの生活への影響は?
半導体不足はいくつかの原因があることがわかりましたが、それが私たちの生活にどのように直結するのかここで説明します。
すぐに商品を手にすることはできない
現在、半導体は世界レベルで不足しています。
その例として、電子機器全般で納期の遅れがでています。パソコンを購入しても自宅に届くのは4ヶ月先であることも。
欲しくて買ったのに、待たされる状況に立たされるのです。
また、半導体不足から電子機器の購入も制限され始めています。
現に、MacやiPadでは供給が制限され、今後はiphoneにも影響が及ぶことが示唆されています。
比較的なんでもすぐに手に入る時代が、待たないと手に入らない時代になりうるのです。
偽物の半導体で使用中に人体に影響が及ぶ可能性も
半導体不足により、偽物の半導体が横行し始めています。
それらはインターネット上で販売され、そのままドライブレコーダーや美顔器、電子たばこに組み込んで製品化されているようです。
販売後に作動しない例や、まれに半導体から発火する恐れすらあるという。安全を脅かしかねないのです。
まとめ
今回は、「半導体」についてわかりやすく説明しました。半導体不足は私たちの生活に大きく影響することは理解していただけたでしょうか。
菅製作所では、半導体の製造工程に使われる「成膜」を作る装置作っています。
製品に興味がある方はこちらよりご確認ください。