「真空」という言葉は普段生活しているだけでも耳にしますし、日常生活で私たちの生活にかなり使われています。
例えば…
食品を長期保存するための真空パック。
魔法瓶の中の温かい飲み物が冷めない仕組み。
インスタントラーメンの麺を乾燥させる仕組み。
などがあります。
そもそも真空って何?
私たちが生活している空気中はおもに窒素と酸素の分子で構成されており、目には見えませんが窒素と酸素の分子がうようよ動き回っています。
具体的にどのくらい窒素と酸素の分子が漂っているのかというと…
地上付近で0℃の時、22.4リットルの体積中に600000000000000000000000個ほどウヨウヨしています。
(化学を学ばれた方はアボガドロ定数といわれるとしっくりくるかも知れません)
私たちは意識していませんが、これらの分子がぎっしりつまった空気を背負って生活しています。無意識に重みを感じており、その押しつけられている力を気圧といいます。
地上付近では1気圧ほどです。
標高の高い山に行ったり、飛行機に乗り上空にいると、空気は薄くなります。
その分、空気中に含まれる分子の数も減るため、気圧が低くなります。
登山でお湯を沸かすと地上より低い温度で沸騰したり、飛行機に持ち込んだ袋菓子が上空でパンパンになるのは気圧が低くなるためです。
空気が薄くして、空気中に漂う分子がいない状態の究極が「真空」です。
ですが、地球上で窒素や酸素などの分子を全くなしにするのは難しいことです。
真空には種類がある
絶対真空
大気中に分子が全くない状態=気圧0の状態を言います。
あくまでも仮想的状態で、実現していません。
例えば、宇宙空間は真空と言われていますが、宇宙でさえ微量ながらも分子が存在していると考えられています。
地球上で実現することは簡単ではありません。
負圧
標準的な大気圧(1気圧)より低い状態をいいます。
工業的に使われている真空はこの負圧になり、JIS規格により
低真空・中真空・高真空・超高真空の4段階に分かれています。
さきほど紹介した魔法瓶の仕組みには低真空が利用されています。
インスタントラーメンの乾燥は高真空を利用しています。
真空状態は、プラズマ(放電現象)を均一に発生させることができるため、スパッタ装置による成膜の仕組みなどに使われています。
菅製作所では、スパッタ装置など真空装置を各種取り扱っています。