宇宙は真空と言われているけど本当なのでしょうか?
答えはYESでもありNOでもあります。
宇宙にはわずかながらも分子が漂っているため、厳密には真空ではありません。
しかし、工業的には1気圧以下を真空というため、真空でもあります。
宇宙は真空じゃない理由をわかりやすく説明します。
宇宙にも気温がある
私たちの住む地球では、毎日の気温を気にして生活しています。
それは地球を取り巻く大気があるからです。
一方、宇宙は大気がなく絶対零度と言われています。
本当でしょうか?
宇宙の気温は-270℃ほどです。
日本で最も低い最低気温の公式記録は旭川で観測された-41.0℃です。
南極で-50℃ほどの記録があります。
地球で生活していると約-270℃なんて、想像がつきません。
しかし、わずかながら宇宙には気温が存在しています。
原子や分子の運動により熱エネルギーが生じますが、これらの運動がなくなる温度は約-273℃です。
これより低い温度がないことから絶対零度とも言われています。
(化学や物理を学ばれた方にはおなじみの絶対温度です)
さきほど、宇宙の気温は-270℃ほどといいましたが、絶対零度である約-273より高くなっています。
これはわずかながらも宇宙に原子や分子が存在しており、熱エネルギーがあるということになります。
そのため、宇宙は分子が全くない状態である「絶対真空」ではありません。
そもそも宇宙は生まれたてのころはもっとギュッとしており高温でしたが、膨張し続けるうちに今では-270℃まで冷えたと考えられています。
宇宙でも絶対真空ではないなら、地球で絶対真空を実現することはきわめて難しいことです。
しかし、大気圧である1気圧以下にする工業的な真空は、我々の身の回りの生活に役立っています。
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スパッタ装置に少しでも宇宙を感じられたら幸いです。
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