今回は「プラズモニクス」について解説させていただきます。
エレクトロニクスやフォトニクスに代わる技術の一つであり、実は一部の分野では使用されている「プラズモニクス」。
どういった物に使われているかを具体的に解説しているので、ぜひご覧ください。
プラズモニクスとは、プラズモンを利用した技術
プラズモニクスは「プラズモン」を利用した技術のことです。
プラズモンには「表面プラズモン共鳴」や「プラズモン吸収」などの作用があり、プラズモンを利用して様々なものに応用されています。
プラズモンについては以下の記事で解説していますので、詳しい原理などを知りたい方はぜひご覧ください。
今までの世の中では「エレクトロニクス(電子工学)」が使用されてきました、そして次の時代では「フォトニクス(光工学)」が主流になると言われています。しかしながら、光の取り扱いは電子以上に難しく、一部の分野でしか実用化できていません。
そのようなエレクトロニクスとフォトニクスの中間にいる存在こそが「プラズモニクス」なのです。
プラズモニクスが社会でどのように活用されているか、次の項目で見ていきましょう。
プラズモニクスの社会での活用方法
プラズモニクスは、現在使用されている分野はごく一部で、これから応用が期待されている技術です。ここでは、実際にプラズモニクスを使用している物やこれからの応用が期待されている物について紹介していきます。
表面プラズモン共鳴バイオセンサー
表面プラズモン共鳴バイオセンサーは、既に実用化されているもので、従来のものよりも更に正確な測定ができるようになったバイオセンサーです。
しかしながら、大型である、非常に高価であるなどの理由から導入が難しく、広く利用されるまでには至っていません。
LEDの発光増強が期待されている
プラズモニクスは、LEDの発光増強に役立つと期待されています。
表面プラズモンによる発光増強は簡単かつ効果的で、様々な応用例が報告されるほどです。
徐々にシェアを広めてきた「LED(発光ダイオード)」、最近では信号機にも使用され、お部屋の電気を蛍光灯からLEDに取り替えたという方も多いのではないでしょうか。そのLEDが、プラズモニクスによってより明るく、実用的なものになる未来も近いかもしれません。
各種センサー
バイオセンサーについては先ほど紹介しましたが、プラズモニクスは他の種類のセンサーでの活用も期待されています。
例えば以下の通り。
- 尿や血液など体液を使用した健康チェックのためのセンサー
- 農薬などの検出に使用する農業用センサー
- 光を使った装置内での光センサー
まだ発展途上の分野ではあるものの、プラズモニクスが一般的に広まると更に便利で扱いやすいアイテムが増えるということです。
まとめ
今回はプラズモンを使用した「プラズモニクス」について解説させていただきました。今回の記事のポイントは以下の通り。
- プラズモニクスはプラズモンを使用した技術のこと
- プラズモニクスは電子工学と光工学の中間に位置する技術
- 現在はバイオセンサーに使用されており、今後はLEDの発光強化や各種センサーの使用に期待されている
「プラズモニクス」の研究でお困りのことなどございましたら、私たち菅製作所がお役に立てることがあるかもしれません。お気軽にご相談ください。
参考サイト
「表面プラズモン共鳴を利用したなんでも検出できるセンサ」
http://bunseki.kyushu-u.ac.jp/bunseki/media/092.pdf