菅製作所の放電プラズマ焼結装置を導入した事例紹介【東京都市大学理工学部機械工学科機械材料研究室 丸山 恵史 准教授】

今回は、菅製作所の放電プラズマ焼結装置を導入している、東京都市大学理工学部機械工学科機械材料研究室 准教授 丸山 恵史(マルヤマ サトフミ)氏にお話を伺いました。

実際に放電プラズマ焼結装置を使い、他社との違い、導入したメリットの感想をいただいたので、 現在、装置導入を検討している研究者、または大学関係者の方がいれば、ぜひ参考にしてください。

①現在行っている研究について教えてください。

主な研究は、ナノテク・材料に関する研究です。材料の合成・焼結を行い、硬度が高く丈夫な超硬材料であったり、タービンや耐熱タイルといった高温化でも強度が必要な材料の研究を行っています。

その他にも、電子材料や熱電材料など物質の性質を利用した研究も行なっており、多岐にわたります。簡単に言うと材料を焼き固め(焼結)、硬さ・電気的・熱的といった様々な性質を引き出す研究です。

元々はホウ化物を中心に研究をしていましたが、近年は酸化物、合金材料も研究対象としており、大体の材料系はカバーしています。

②菅製作所の放電プラズマ焼結装置を導入するまでどんなことに困っていましたか?

そもそも導入前は装置が大学内に無く、他県まで借りに行く必要があって大変でした。導入後は大学内での共有装置として使用しており、使いたい時に使えるありがたさがあります。

機能面でも、従来の方法ではホウ化物は固めることが困難でした。放電プラズマ焼結装置が手元に無いと、研究として不利であったため、導入してようやく解決できました。

③菅製作所の放電プラズマ焼結装置を導入するきっかけはなんでしたか?

装置としての技術が高いのはもちろん、菅製作所のスタッフさんが専門的な知識と技術を持っていたからです。装置だけでなく、現象(焼くメカニズム)にも詳しい人はそういないので、助かっています。

他のメーカーとの比較はしたものの、ほぼ菅製作所さんで即決でした。元々菅製作所さんには詳しいスタッフさんがいるとお聞きしていたので。

④菅製作所の放電プラズマ焼結装置を導入して良かったところはありますか?

まず、装置自体がユーザーフレンドリーで使いやすい点です。大学内で共有して使っているのですが、学科の違う先生はもちろん、学生さんが操作した場合でも問題なく使えてます。誰にとっても使いやすい装置ですね。

それ以上に、菅製作所さんが相談に乗ってくれるところが魅力です。装置についてはもちろん、焼却中の現象で変わった点があった際も相談できるので、すごく助かっています。

装置自体の操作方法のみならず、焼結時の現象に関する内容まで踏み込んで相談にのって頂けます。

放電プラズマ焼結装置は僕たちにとってもブラックボックスなんです。SPS中の現象は100%解明されていなくて、イレギュラーが起きるんですよ。そんな時に菅製作所さんは専門的な視点で一緒に考えてくれるので、助けられています。

また、耐久性がすごく高い点も魅力の一つです。導入して2年くらいの間ほぼ毎日、室温から2000〜2500度まで温度を上げて使用していますがほぼ故障が無いので、ランニングコスト的な意味でも助かります。

装置が故障すると実験もできなくなるので、そういった面でも耐久性が高いのはありがたいですね。

⑤現在はどのようなことに放電プラズマ焼結装置を活用していますか?

メインは焼結するために使用しています。他の先生も酸化物、ホウ化物、炭化物、窒化物を用いて様々な研究をされています。

私が最近取り組んでいるのは、ブラックボックスの解明ですね。SPS業界で当たり前とされていることが、本当にそうなのか?と疑問を持ち、菅製作所さんの装置特有の機能を使って、原理解明できないか試しているところです。

他の先生も、業界で常識と言われている材料以外に代替品が無いか、より良い材料が無いかとブレイクスルーを目指して研究していますね。

可能性を秘めた装置なので、今の使用用途以外にも利点を伸ばせる使い方ができればと思い色々模索しています。

⑥放電プラズマ焼結装置は将来私たちの生活のどんなことに役立つと思いますか?

放電プラズマ焼結装置は、大量生産には向きませんが、少量多品種の材料を作るのには適していると思います。その利点を活かして、材料研究を進め、低コストかつ高品質な材料が見つけられれば社会がより豊かになります。

材料は、社会生活のインフラの根幹にあると思っています。材料研究が進むと、特に小型機器(電子デバイス、加工工具など)を豊かにしてくれます。例えば、スマホの値段が下がったり、強度が増したりなどですね。

ただし、材料だけでは豊かな社会は実現できません。他の研究分野のピースが揃って初めて実用化できます。材料もその重要なピースとして、今後もより良い材料を見つけるため焼結・合成で装置をどんどん使わせてもらいます。

菅製作所の放電プラズマ焼結装置を紹介

菅製作所の放電プラズマ焼結装置「SPS2000」は、研究開発に最適なエントリーモデルで、比較的省スペースな点と、耐久性・安全性が高く操作しやすい特徴を持つ製品です。

金属系はもちろん、酸化物、炭化物、窒化物、ホウ化物、フッ化物など幅広い材料に対応しています。

焼結条件が広い範囲で設定可能であるため、熟練・経験がなくとも材料開発ができる装置です。修理や改造についてなど、保守管理は菅製作所の技術者を派遣して行いますので、万が一不調が出た際にもご安心ください。

詳細なスペックは以下のページにまとめてありますので、導入を検討されている方はぜひご覧ください。

菅製作所の放電プラズマ焼結装置(SPS)を見てみる

おわりに

菅製作所の事例紹介として、実際に菅製作所の放電プラズマ焼結装置を使用した生の声を丸山准教授から頂きました。

装置がユーザーフレンドリーであり使いやすい点、菅製作所に研究の専門的な知識を持ったスタッフが常駐している点、製品の頑丈さが高評価でした。

購入後も製品に満足していただけるよう、菅製作所はお客様の様々なご要望にお答えしております。

製品の購入に悩んでいる方はぜひ、検討材料にしていただけたら幸いです。さらに、菅製作所は札幌・静岡に事務所を構えており、全国どこでも迅速に対応しています。

導入のご相談は、下記よりお問い合わせください。

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ー東京都市大学理工学部機械工学科機械材料研究室 丸山 恵史 准教授のプロフィール ー

マルヤマ サトフミ
丸山 恵史

2009年東北大学工学部電気・情報物理工学科卒。2014年東北大学大学院応用物理学専攻修了。博士(工学)。国立研究開発法人物質・材料研究機構、ポスドク研究員を経て、2016年東京都市大学工学部機械工学科に着任。現在に至る。

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この記事を書いた人

株式会社菅製作所

北海道北斗市で、スパッタ装置やALD装置等の成膜装置や光放出電子顕微鏡などの真空装置、放電プラズマ焼結(SPS)による材料合成装置、漁船向け船舶用機器を製造・販売しています。
また、汎用マイコン・汎用メモリへの書込みサービスも行っています。

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