菅製作所のスパッタ装置を導入した事例紹介【北海道大学 大学院情報科学研究院 ナノエレクトロニクス研究室 末岡 和久教授】

北海道大学末岡教授

今回は、菅製作所のスパッタ装置を導入している、北海道大学大学院情報科学研究院 ナノエレクトロニクス研究室 教授 末岡 和久(すえおか かずひさ)氏にお話を伺いました。

末岡教授は、スパッタ装置をエレクトロニクス分野や材料表面の物性の研究などのために導入され、現在では大学生との研究や別の研究室で使用できるよう共同装置として使用して下さっているとのこと。

実際にスパッタ装置を使い、他社との違い、導入したメリットの感想をいただいたので、 現在、装置導入を検討している研究者、または大学関係者の方がいれば、ぜひ参考にしてみてください。

ー北海道大学 大学院情報科学研究院 ナノエレクトロニクス研究室 末岡 和久教授のプロフィール ー

すえおか かずひさ
末岡 和久

2004年度 北海道大学 大学院・情報科学研究科 教授。2023年度 北海道大学 情報科学研究院 教授。走査型プローブ顕微鏡技術を応用した原子分子レベルのスピン計測操作技術やカーボンナノチューブなどを応用したセンサの開発、スピン干渉によるスピンエレクトロニクスの基礎研究に従事。

現在行っている研究について教えてください。

研究は多岐に渡っておりますが、大きく3本柱で行っております

メインとなる柱は、走査型トンネル顕微鏡や、原子間力顕微鏡など、材料表面の電子状態や原子・分子の状態を調べる表面分析装置を使用した材料表面の物性の研究を行っています。

また、表面の性質を使って様々なエレクトロニクスの機能を発現するようなものを探索する基礎的な研究も行っています。既存の顕微鏡を改良したり、独自の測定方法を考案したりと装置の開発を含めて研究しております。

もう一つの柱は、グラフェンやカーボンナノチューブなどのナノ材料を使用したセンサー類や太陽電池などに応用できる分野の研究も進めています。

最後の柱は、有機薄膜の性質を調べることで、エレクトロニクスの分野に応用する、といった3本の柱で研究を行っています。

エレクトロニクス分野の基礎部分となる研究であるため、他の研究の土台となる部分の研究になっています。

菅製作所のスパッタ装置を導入するまでどんなことに困っていましたか?

スパッタ装置は汎用的であり、この研究室でも先代から30年くらい使っていました。しかし、古いものですと装置の使い勝手が悪い・汎用性が低いなどの問題が起きてきたんです。

菅製作所のスパッタ装置を導入するきっかけはなんでしたか?

菅製作所さんとは、以前に特殊用途のスパッタ装置を共に作成させていただいて、研究を進めた過去がありました。限定的な用途でのスパッタ装置であったため、研究は進んだもののより汎用的なスパッタ装置が必要になってきたんです。

菅製作所さんはアフターサービスも良く、他の会社さんでは答えてくれない細かい部分まで相談に乗ってくれるため、汎用性の高いスパッタ装置を導入するなら、菅製作所さんに引き続きお願いしよう、と話がまとまったんです。

菅製作所さんは技術力も高く、コンパクトで綺麗な装置を作成してくれますね。大学は物理的なスペースも限られているため、現地に合わせた設計をしてくれるのは助かります。大手だと既存のものを流用することが多いから中々頼めないんですよ。

菅製作所のスパッタ装置を導入して良かったところはありますか?

まず、使いやすい点が一番良かったなと思う部分です。操作のクセも少なく、大学生でも扱えるシンプルな操作性で、学生の研究でも多く使用しています。私の研究室だけでなく、他の研究室の先生も使いたいとのことで、北海道大学の共有装置として広い分野で使っていますね。

次に、メンテナンス性が非常に良いところも導入して良かったと感じるポイントです。スパッタ装置は複雑になりがちなのですが、菅製作所さんのスパッタ装置は極力簡単に、女性でも扱える重量で設計されているため、知識さえあればメンテナンスできる点がとてもありがたかったです。

最後に、ユーザーフレンドリーな所が菅製作所さんで良かったと強く思う部分ですね。菅製作所さんはスパッタ装置の設計段階から、私たちの使いやすい、整備しやすい設計にしてくれるんです。現場で使いやすい装置にしてくれるわけですね。

本当なら菅製作所さんにメンテナンスも頼みたいんですけど、大学の研究費も限られているので自分たちで直すことが多いんです。ですが、困った時はビデオ通話で装置の修理箇所を教えていただきながら直したこともあり、かなり手厚いアフターフォローサポートをしていただいていますね。

現在はどのようなことにスパッタ装置を活用していますか?

電気的な動きを調べようとする時に、どうしても電気を流す電極が必要になります。その電極にはスパッタ装置を使わなくてはならないため、スパッタ装置は必須となる場合が多いです。

最先端の研究には欠かせない装置であるため、大学内でも使用の予約で埋まることが度々あります(笑)

スパッタ装置は将来私たちの生活のどんなことに役立つと思いますか?

エレクトロニクスでの研究・開発をするには必ず必要で、一例ですと宇宙工学分野における衛星部品や、メモリ、プロセッサなどの身近な電子部品、バイオテクノロジーなど幅広い分野で役立ちます。

スパッタ装置は多くの分野の研究を支える「根の部分に必須な装置」であるため、今後も手放せない装置だと思います。

菅製作所のスパッタ装置を紹介

今回、北海道大学 大学院情報科学研究院 ナノエレクトロニクス研究室に導入いただいたスパッタ装置は「SSP3000Plus」になります。

主な特徴

  • 3元カソードの高性能モデル
  • φ100mm以内の膜厚分布±3%以下
  • Plusシリーズの別装置と連結可能

詳細につきましては、以下のページにまとめておりますのでご覧ください。

SSP3000Plusについて詳しく見てみる

おわりに

菅製作所の事例紹介として、実際に菅製作所のスパッタ装置を使用した生の声を末岡教授から頂きました。

操作がシンプルな点、メンテナンスしやすい点、設計段階から要望を取り入れてもらえる点や、研究の目的や現場の状況によってカスタマイズの相談にも乗ってもらえる点が高評価でした。

購入後も製品に満足していただけるよう、菅製作所はお客様の様々なご要望にお答えしております。

製品の購入に悩んでいる方はぜひ、検討材料にしていただけたら幸いです。さらに、菅製作所は札幌・静岡に支店を構えており、全国どこでも迅速に対応しています。

導入のご相談は、下記よりお問い合わせください。

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この記事を書いた人

株式会社菅製作所

北海道北斗市で、スパッタ装置やALD装置等の成膜装置や光放出電子顕微鏡などの真空装置、放電プラズマ焼結(SPS)による材料合成装置、漁船向け船舶用機器を製造・販売しています。
また、汎用マイコン・汎用メモリへの書込みサービスも行っています。

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