毎日の生活に欠かせない鏡に真空が使われているのをご存じですか?
鏡の製法には、「真空メッキ法」と「銀引製法」の2種類あり、真空メッキ法では名前の通り真空を利用して鏡が作られます。
鏡と真空の関係についてわかりやすく解説します。
一般的なのは銀引製法
昔ながらの鏡は銀引き製法によって作られています。
まず、ガラスの表面に錫の金属膜をつけ、銀の膜がつきやすいよう準備します。
そして、銀を吹き付けます。
実際には、硝酸銀溶液と水酸化ナトリウム(苛性ソーダ液)、ブドウ糖をかけて化学反応させることで、ガラスに銀の膜を作り出します。
その後、純水で洗い、銀膜の劣化を防ぐために銅を吹き付けます。
ガラスの裏面も保護膜をつけて完成です。
美しい鏡は真空メッキ法
真空メッキ法は、真空下でアルミニウムを蒸気(ガス)にしたものをガラスに付着させて作ります。
アルミの膜が出来たら、保護するために樹脂塗料を塗ります。
真空メッキ法は、アルミニウムの粒子が細かくガラスとの密着率が高くなります。そのため、丈夫なため車のバックミラーなど屋外でも使用されています。
また、天文台の望遠鏡に使われる鏡も、真空蒸着によりアルミニウムを蒸発させてガラスをメッキしたりしています。