私たちは、夕方、薄暗くなってきたら明かりをつけます。夜の時間も活動できるのは、そういった蛍光灯や白熱電球、LEDのおかげです。
白熱電球はLEDに変わりつつありますが、今も主流の蛍光灯には真空が活用されています。蛍光灯にどのように真空が使われているのかわかりやすく解説します。
そもそも蛍光灯はなぜ光るの?
蛍光灯のガラス管の内側には蛍光物質が塗られています。
中は真空で、アルゴンなどの化学変化しにくいガスと少々の水銀のガスが入っています。
また、両端にはプラスとマイナスの電極がついています。
そして、電気を流し、両端の電極に電圧がかかると光が点灯します。
このとき、-極から+極にかけて電子が飛び出しています。
「真空放電」を中学校の理科で学習した記憶のある方ならピンとくるかもしれません。
この電子が、ガラス管内にある水銀の電子にぶつかると紫外線が発生し、紫外線がガラス管内に塗られた蛍光物質に当たると私たちの目に見える光(可視光)に変わります。
この仕組みにより、私たちは夜も明るく光のもと生活することができます。
蛍光灯の中の真空
空気がある状態だと、いろいろな窒素や酸素などいろいろな空気の粒(分子)がうようよしており、電気が流れにくい(電子が-極+極へ移動しにくい)状態となっています。
しかし、蛍光灯のガラス管の中は空気がほとんどない状態である真空です。
そのため、電気が通りやすい状態となっています。
白熱電球も真空を利用
現在はLEDに置き換わり見る機会が減った白熱電球も真空を利用しています。
白熱電球は蛍光灯と違い、-極から+極へ電子を飛ばすわけではありませんが、内部にあるフィラメントの燃焼を抑えるために真空となっています。
そうすることで、フィラメントの酸化を防ぎ、白熱電球の寿命を延ばすことが出来ていたのです。
菅製作所では、真空とアルゴンガスを活用して成膜するスパッタ装置など真空装置を各種取り扱っています。