かつて眼鏡のレンズにはガラスがつかわれていましたが、最近はプラスチックの物がほとんどとなりました。
そのうらには、真空による成膜技術が関係しています。
今回は眼鏡のレンズと真空について解説したいと思います。
眼鏡のレンズには様々な加工がされている
一見、眼鏡のレンズはただのプラスチックに見えますが、反射を防止するためやレンズが傷つきにくくするため、紫外線をカットするため、曇りにくくするためなど目には見えない薄さで何層もの膜が作られています。
特に、反射防止膜は、何層もの屈折率の違う物質を地層のように交互に何層も重ねることで、光の干渉によって反射率を低くするための膜のことです。
眼鏡のレンズの他にもパソコンのモニター、カメラのレンズなどに使われています。
スキーグラスやサングラスなどでは着用者の目が見えないようにするためのミラー状のコーティングがなされていますが、それも真空下で蒸着によって薄い膜が付けています。
真空蒸着とは
水を沸騰させると湯気ができます。
沸騰させた水の上に物体を置くと、湯気で水滴がつきます。
例えばメガネのレンズなら曇りますね。
これは水という液体が湯気という気体(水蒸気)に変わり、結果、レンズに水滴が付きます。
この仕組みと同じように膜にしたい物質を熱し蒸発させることで、膜をつけます。
実際には、真空下で、膜に肢体物質(金属等)にビームを当てて蒸発させ気体にしています。
これらの膜の薄さは、たった数ナノメートル!
1ナノメートルは、1mm(ミリメートル)を1000等分して、そのひとつをさらに1000等分したうちのひとつの長さです。
地球の直径が1mだったとすると1nm(ナノメートル)は1円玉サイズの大きさに相当します。
肉眼では見えない薄さを真空蒸着によって膜をつけることができます。
生活にかかせない真空を利用した蒸着装置を菅製作所では取り扱っています。