エメラルドやアクアマリンの元になっているベリリウム。
実は医療分野や宇宙開発、音楽の世界まで幅広く活躍しているのです。
この記事ではベリリウムについての性質や特徴から、実際にどのように社会で使われているかについて解説させていただきます。
ぜひ最後までご覧ください。
目次
ベリリウムの性質と特徴
ベリル(緑柱石)を構成する主要な元素であり、状況により色が変化します。
水色のベリルはアクアマリン、緑色のベリルはエメラルドと呼ばれており、宝石として広く知られています。
また、天然のベリリウムは金属であり、これには毒性があります。
うっかり粉塵を吸ってしまうと、肺機能に障害を及ぼす恐れがあるとか。(宝石として身につけている物は、研磨しない限り問題ないようです)
ちなみにベリリウムは軽量であり、強度の高い元素です。この性質を利用して、社会では様々なものに利用されています。それでは、具体例を見ていきましょう。
ベリリウムの社会での活用方法
軽量で高強度のベリリウムは、「レントゲン撮影」、「宇宙望遠鏡」、「スピーカーの反射板」などで使用されています。
ベリリウムが役立つ「レントゲン撮影」
ベリリウムはX線を通す性質を持っているため、X線放射窓という部分に使用されています。
その透過性はアルミニウムの17倍、かつて使っていた放射窓の6〜10倍と言われており、現代のX線撮影の際はベリリウムが欠かせないものとなっています。
ベリリウムが役立つ「宇宙望遠鏡」
宇宙望遠鏡は、天体などを観測するための望遠鏡であり、宇宙空間で使用されます。
では、この宇宙望遠鏡のどこにベリリウムが使われているのか?
答えは、反射鏡と呼ばれる部分です。
ベリリウムが使われている理由は、軽量かつ高強度な物質で、宇宙空間でも耐えられる元素だからです。
重量が軽ければその分燃料に余裕ができ、打ち上げ時の激しい衝撃に耐えることができるのがベリリウムなのです。
ベリリウムが役立つ「スピーカーの振動板」
実は音楽の世界でも軽く、硬いベリリウムは役に立っているのです。
ベリリウムは他の振動板素材に比べてより高い音まで再生できるため、良い音質で音楽を楽しむことができます。
最近ではスピーカーだけでなく、イヤホンの振動板にもベリリウムが使用されたものもあるようです。(ちなみに価格は198,000円(19万円))
ベリリウムの歴史
元素記号:Be
英語名:Beryllium
緑柱石から取れる元素であるため、ギリシャ語で緑柱石を意味するベリルが語源になっています。
しかし、発見当初は名前が違いました。
当時の名前はグルシニウム、これはギリシャ語で甘いを意味します。
ベリリウムを舐めた時に甘い味がしたのが由来だそうですが…あれ?ベリリウムって毒性ありませんでしたっけ?
まとめ
今回は以下のことについて解説させていただきました
- ベリリウムは軽くて丈夫な金属で、毒性がある
- 「レントゲン撮影」、「宇宙望遠鏡」、「スピーカーの振動板」で必要な元素
- ギリシャ語で「緑柱石」を意味するベリルが語源
他の元素が気になる方は、以下の記事にてまとめております。
是非ご覧ください。
【元素一覧】基礎的な元素から最新まで身近な例でわかりやすく解説!
参考サイト
性質
↑宝石として身につける場合について
レントゲン
宇宙望遠鏡
スピーカーの振動板