いつでもどこでも手軽に清涼飲料水が飲むことができるペットボトル。
お出かけにも便利なペットボトルですが、真空を利用してペットボトルの内側に薄い膜を作ることで酸化を防ぐ役割をしています。
真空とペットボトルの仕組みについてわかりやすく解説します。
かつては缶やガラス瓶が主流だった
1980年代にペットボトルが市場に登場するも、コーラやサイダーなど炭酸飲料は缶やガラス瓶が主流でした。
ガラス瓶は重くて割れるデメリットがあるのにも関わらず、なぜペットボトルにしなかったかというと、ペットボトルだと炭酸が流出しやすかったためです。
また、ペットボトルは酸素を通し中味が酸化してしまうため、お茶やワインなどペットボトルにすることができませんでした。
しかし、現在は、瓶のコーラを見ることはほとんどありませんし、ペットボトルのお茶やワインも当たり前のようになってきました。
これは、ペットボトルの中に薄い膜を作ることが出来きるようになったからなんです。
秘密は炭素の薄い膜
従来のペットボトルは空気が入ったり、炭酸や水分が流れ出やすかったのですが、ペットボトルの内側に炭素の薄い膜をはることでそれらの欠点を克服することができました。
炭素の膜は、真空下で炭素と水素から出来ているアセチレンガスをプラズマ状態にして膜を作ります。
炭素で出来ている物といえば鉛筆の芯やダイヤモンドなどがありますが、ペットボトルの内側に貼る膜は10~40ナノメートルの薄さです。肉眼では見ることが出来ませんが、私たちの生活をより便利にするために大活躍しています。
お店などでペットボトル入りの炭酸飲料やお茶、ワインなどを見かけたら、真空を感じてみてはいかがでしょう。
私たちの生活に欠かせない真空。菅製作所では真空状態で膜を作るスパッタ装置を取り扱っています。