光放出電子顕微鏡(MyPEEM)は、紫外光などの短波長の光を照射し、サンプルから放出される光電子を検出することで、サンプル表面の仕事関数をリアルタイムで可視化することができる顕微鏡です。
表面仕事関数を可視化し、リアルタイムで対象を観察することができます。主な用途として、薄膜の成長過程や触媒反応の動的過程の追跡など。
ガスの吸着、脱離による表面の電子状態の動的観察、円偏光紫外線光を用いたスピン観察などに応用できます。
目次
菅製作所光放出電子顕微鏡【MyPEEM】の装置概要について
本装置では、試料に紫外光を照射することで励起された光電子(2次電子)をサンプルに印加された負の高電圧によって加速します。
その後、3段の静電レンズ系、2段の補正レンズ系を用いてスクリーンに投影したPEEM像をCCDカメラ等によって記録。
ソフト上にあらかじめ設定してある視野に合わせてサンプルの高さを調節するだけで簡単にPEEMイメージを取得できます。
またサンプルに電圧を印加することにより、光電子経路であるチャンバーはアース電位に置く事が出来るため、安全でコンパクトな設計となっています。
静電レンズ系
本装置は3段のレンズ系によって構成されています。
3段のレンズ系はそれぞれ4極の対物レンズ、3極の中間レンズ、5極の投影レンズからなっています。また、それぞれ2極、1極、2極の可変電極に電源操作ソフトにより操作することによって、目的の倍率、視野を獲得します。
静電型補正器
レンズや組立によって生じる収差を補正するために本装置では独自に開発した、2段の静電型補正器を搭載しています。
それぞれの電極に補正係数をかけた電圧を印加することによって、2段の補正器で光軸補正、非点補正を同時に行うことができます。
空間分解能
本装置の空間分解能です。
菅製作所光放出電子顕微鏡【MyPEEM】の特徴について
【特徴1】スタンドアローン型
こちらの製品はPEEM本体、チャンバー、電源BOX、制御ソフトの全てを一体としているため、オプションを追加しなくても使用可能です。
【特徴2】光源の交換
励起光源として紫外光源を利用し、真空外からビューポート越しに照射する構造のため、各種光源の交換を容易に行うことが出来ます。
【特徴3】手動で選択
穴系の異なる3種類のコントラストアパチャーを手動で選択可能です。
【特徴4】オリジナリティー
標準のサンプルホルダーの他、ご要望に合わせてサンプルホルダーを製作します。
菅製作所光放出電子顕微鏡【MyPEEM】の標準仕様について
MyPEEM仕様表
MyPEEM外観図
菅製作所光放出電子顕微鏡【MyPEEM】の修理・改造・メンテナンスについて
弊社装置に関わる保守サービスは、北海道の本社及び静岡県の拠点から技術者を派遣して対応致します。
また、改造・保守に関わる事前お打合せについては北海道と関東地区に駐在している営業担当者にて対応致します。装置の導入後も安心して装置をご使用頂けるよう体制を整えております。
装置の御納入後の定められた保証期間内は、弊社が定める一定の条件(天災や誤った使用方法に起因する故障)に含まれない初期不良等の不具合に対しては無償による修理対応を行います。
サービスメニュー例
- 装置の定期メンテナンス、不具合時のサービス対応
- 装置の改造や機能追加、それらに伴うプログラムソフトの変更
- 装置の移設、レイアウト変更
- オペレーショントレーニング(ユーザー様の運用担当者の交代時など)
- 消耗品の購入
- メール、お電話等で解決するご質問