スパッタには多くの方式がありますが、今日はその中から「マグネトロンスパッタ」について紹介します。
マグネトロンスパッタの原理やわかりやすい図解、成膜時のメリット・デメリットについても説明していきます。
マグネトロンスパッタの原理
マグネトロンスパッタは、2極法スパッタリングの遅い成膜速度を改善するために開発された技術。
マグネットを用いて磁場の中に電子を囲い込むことで、濃いプラズマ領域を作り、アルゴン原子がターゲットに衝突する確率を高めることで基板に付着するスピードを向上させます。
現在は、マグネトロンスパッタリングが主流となってきています。
マグネトロンスパッタのメリットデメリット
メリット
- 基板がプラズマの熱やイオンなどによって傷つけられるダメージが少ない。
- 速度がはやく効率よく成膜される
デメリット
- 磁場が圴一でないため磁束密度の高い場所ほど濃度の高いプラズマが発生し、磁束密度の低い場所ほど濃度が低いプラズマになる。
- 磁石の場合一般的にS極とN極の中心程磁束密度が低くなるため中心でプラズマが薄くなる。ターゲットの削られる量にムラ(エロージョンとも呼ぶ)がでてきやすい。
マグネトロンスパッタの図解
ターゲットの下部に永久磁石を配置し、磁界によって高密度のプラズマを生成させてスパッタリングにより、ターゲットから弾き飛ばされた原子が成膜します。
菅製作所マグネトロンスパッタ装置の紹介
SSP3000
高性能かつ多彩なオプションを選択できるスパッタ装置の上位モデル
まとめ
マグネトロンスパッタの原理や特徴について詳しく解説しました。
菅製作所では、スパッタ装置以外にもALD装置や蒸着装置などの真空装置を製造しています。
興味ある方はこちらの製品一覧からご確認ください。