④SPS装置に必要な性能

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SPS装置に必要な性能について解説します!

技術解説 ~ 株式会社菅製作所 ~

短時間焼結、均質焼結、対象材料が広範囲である等々の特長を持ったSPS装置ですが、その装置に求められる性能はどんな内容なのかを考えてみましょう。短時間で、高品位の焼結体を再現性良く、継続して焼結できることが求められるわけですが、具体的にはどんな性能が必要でしょうか?

様々な要求に必要な具体的な装置性能について考えてみましょう。

(a) 優れた耐久性

急激な温度変化、2000度を超える焼結温度で使用可能な電極部、チャンバー部の構造
冷間・熱間強度、水冷等の冷却構造、加熱・冷却の繰り返しの耐久性が求められます。

(b) 急激な温度変化の加圧特性

SPSの急速昇温、急速冷却中の試料の膨張・収縮、焼結中の高温試料の収縮等があっても安定した制御ができる加圧機構の性能が求められます。

c) 温度変化の大きな試料温度の測定・制御

100℃/min. , 200℃/min. (最近では500℃/min.以上の場合も)のような急速昇温での
安定した温度測定と制御の性能が必要です。

(d) 必要な焼結雰囲気を作り出し、制御する

SPS焼結ではロータリーポンプ等を使用した数~数十Paの焼結雰囲気を用いること
が多いですが、5 x 10-3Pa 等の高真空が求められたり、不活性ガス雰囲気が求められたりすることがあります。それらの焼結雰囲気を作り出すことが必要です。

(e) 焼結の再現性

出発原料粉の品質管理は必要ですが、焼結体に必要な特性・性能を含めた焼結の再現性のあることが求められます。

(f) 装置の信頼性と安全性

(a) – (e) の装置性能を維持でき、いつでも同じ性能を発揮できる信頼性という性能が
SPS装置に限らず求められますが、SPS装置の場合、急速昇温・高温での加圧という装置にとってかなり過酷な使用条件ですので、特に信頼性が高いことが求められます。

また、装置は安全に使用でき、人体に危険を及ぼすことがないように、設計製作されることが必要であり、SPS装置の場合、急速加熱・高温での加圧下での使用になりますので、リスクも大きく、安全規格に則った設計・製作が装置メーカーに求められます。また、装置の安全性だけでなく、保守管理を含めて、安全な使用方法の提示、あるいはユーザーと装置メーカーの協力により運用規則を決めるなどの方策が必要です。

SPS装置は実際に製品へ応用に成功し、生産装置として使用されている例もあります。
急速昇温、加圧の制御等々の再現性、そして焼結体=製品の品質の再現性を証明する実例であると考えられます。

当社製装置の信頼性については、保守管理の条件、使用条件にもよりますが、複数のSPS装置が研究所等で使用され、20年以上経過しても現役装置として稼働していることは信頼性が高いことの実証といえます。

当社製装置の安全性については、機械安全の基本概念である国際規格ISO12100で定められた手順に従ってリスクアセスメントを実施し、設計段階でのリスク削減と使用段階でのリスク低減を行い、納品時の保守・安全管理を含めたユーザーへの操作説明と併せて総合的に安全確保に努めています。

次回はSPS焼結の応用事例について述べたいと思います。

放電プラズマ焼結装置(SPS)

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株式会社菅製作所

北海道北斗市で、スパッタ装置やALD装置等の成膜装置や光放出電子顕微鏡などの真空装置、放電プラズマ焼結(SPS)による材料合成装置、漁船向け船舶用機器を製造・販売しています。
また、汎用マイコン・汎用メモリへの書込みサービスも行っています。

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