硫黄と聞いて、何を思い浮かべるでしょうか?
多くの方は「温泉」や「臭いもの」を思い浮かべるかと思いますが、でも実は、その他にも日常で結構目にしているのです。
この記事では、硫黄の性質や特徴、実際にどのような場面で使用されているかについて解説させていただきます!
硫黄の性質と特徴
硫黄は火山の噴出物に多く含まれている元素です。例えば、火山ガスや温泉水などですね。
特に温泉地などの刺激臭は、硫黄と水素の化合物である硫化水素によるものです。また、タマネギやニンニクなどの臭いも、硫黄が関わっていたりします。
以前は火山で集められた硫黄が資源として使われていましたが、現在では石油を精製する際に廃棄物として硫黄が出ることが知られているため、石油精製の際に抽出することが一般的になっています。
硫黄の社会での活用方法
硫黄は「肥料」、「マッチ棒」、「ゴムの弾性を上げる」などの成分として使用されています。それぞれ見ていきましょう。
肥料
肥料としての硫黄は、主にブルーベリー、ツツジ、リンドウなどの植物を育てる時に使用されます。硫黄は土に蒔くとpHが下がり、酸性土壌になるんです。
本来であれば、酸性土壌は植物の敵ですが、中には先ほど紹介したように酸性土壌でよく育つ植物もいるんですね。
マッチ棒
マッチ棒の先にある赤い部分、実はあの部分こそ硫黄が使われているのです。また、花火の原料や発煙筒にも使われていたりします。
ちなみに、マッチ箱の側面には「リン」が使用されています。詳しくは以下の記事で解説しておりますので、併せてご覧ください。
ゴムの弾力を上げる
実は、ゴムというのは伸びたら伸びたままになってしまう性質があるのです。
ですが、輪ゴムやゴム手袋は元の形に戻りますよね。実は生のゴムに硫黄を加えることで、硫黄がゴムの分子同士をくっつけて元の形に戻る性質を持たせているんです。
硫黄の歴史
- 元素記号:S
- 英語名:Sulfer
硫黄の語源は、二つの説があり、一つはラテン語で硫黄を意味する「sulpur」、もう一つはサンスクリット語で「火の元」を意味する「sulvere」です。発見については、紀元前と言われています。
ちなみに、日本語での「硫黄」の由来は、「湯黄(ゆおう)」がなまって言い伝えられ、「硫黄(いおう)」になったとされています。
まとめ
今回は「硫黄」について解説させていただきました。この記事のポイントは以下の通り。
- 硫黄は火山ガスや温泉水などに多く含まれ、硫化水素となると刺激臭がする
- 硫黄は元々火山で集められていたが、今は石油を精製する際の廃棄物から取られている
- 「肥料」、「マッチ棒」、「ゴム」などに使用される
- 昔から知られている元素で、日本名は「湯黄」がなまって「硫黄」になった
高校で勉強する他の元素については、以下の記事にてまとめております。併せてご覧いただけると、更に理解が深まるのでぜひご覧ください!
参考サイト
ガスの名前由来 ガス豆知識 – 巴商会
硫黄 Sulfurーニンニク、タマネギから加硫剤まで | Chem-Station (ケムステ)
硫黄 – イラスト周期表
硫黄 | 細井化学工業株式会社