真空は気圧の単位を使いますが、その単位は歴史とともに変遷してきました。
たくさんあって、数式が苦手な方は頭がくらくらしてしまう方もいらっしゃるかもしれません。
そんな気圧の単位について、歴史を交えながらわかりやすく解説します。
私たちはいつも空気を背負って生活しています。
あまりに普通すぎるのと目には見えるわけではないので、無意識な方も多いと思いますが、空気には重さがあり、押さえつける力を圧力と言います。
面積1㎡につきどのくらい力が加わっているかを示す力です。
現在は、国際(SI)単位により[N/㎡]や[Pa]が使われています。
[N/㎡] はニュートン毎平方メートルと読みます。[N]は力を表す単位です。
[Pa]はパスカルと読みます。天気予報で台風の中心気圧などを[hPa]で表していると言われると、聞いた事あると思います。これは気圧の単位[Pa]に100倍を意味する[h](ヘクト)がくっついたものです。
歴史を遡ると、気圧の単位は変遷しています。
圧力の単位が使われ始めた17世紀頃には[mmHg](ミリメートルエイチジー)が使われていました。
これは水銀柱を用いた実験を元にした単位で、日本の理科の教科書にも長い間水銀柱の写真とともに[mmHg]が使われており、天気予報では[mbar](ミリバール)が使われていました。
現在は水銀柱といってもなじみが無いと思いますが、デジタルが主流の体温計も、かつては水銀を使ったが一般的でした。
また、日本では一部の分野でしか使われていないため、なじみのない方がほとんどですが、20世紀に入ると[Torr](トル)という単位も使われていました。
[mmHg]とは厳密には定義が違いますが、こちらも水銀柱をもとにした単位ということもあり、[mmHg]と同様に使われてきたようです。
菅製作所では、スパッタ装置など真空装置を各種取り扱っています。