二次電池とは?様々な電池や一次電池との使い分け方について解説します

二次電池とは?様々な電池や一次電池との使い分け方について解説します

皆さんは「電池」と聞くと何を思い浮かべますか?

身の回りでよく目にする乾電池やボタン電池、スマートフォンなど携帯機器に使われるリチウムイオン電池など、人によって様々だと思います。

色々な電池をまとめた呼び名の一つに『二次電池』というモノがあります。しかし、『二次電池』という言葉に馴染みのある方はもしかすると少ないかもしれません。

そこでこの記事では、二次電池とは何かを解説します。

様々な二次電池、そして一次電池との使い分け方についても解説するので、是非最後までご覧いただければと思います。

それでは早速見ていきましょう。

二次電池とは何か?

二次電池とは何か?

二次電池とは、充電可能な電池のこと。「蓄電池」とも呼ばれています。

もし一度容量を使い切って空になったとしても、充電すれば再度使うことができます。

「化学電池」という化学反応から電気を生み出す電池の一種であり、ニッケル水素電池や鉛蓄電池、リチウムイオン電池など多くの種類があります。

二次電池は一次電池よりも高価格であることが多いです。

しかし、一次電池と違って充電により再使用できますから、長期的に見れば一次電池より低コストであると見なせます。

次に、以下3種類の二次電池の特徴を解説します。

  1. ニッケル水素電池
  2. 鉛蓄電池
  3. リチウムイオン電池

それぞれについて一つずつ説明します。

様々な二次電池

リチウムイオン電池

リチウムイオン電池

リチウムイオン電池とは、電池内でリチウムイオンが電気の運び屋として動く二次電池のこと。

充放電反応中は常にイオンの状態で存在するためリチウム”イオン”電池と呼ばれています。

1990年代にソニーと旭化成が商品化に成功して以来、二次電池市場内で急速にシェアが拡大していっています。

リチウムイオン電池一端子あたりの公称電圧は3V以上と比較的高く、メモリー効果がないため継ぎ足し充電が可能です。

一方で、電解液に有機電解液という可燃性物質を用いるため、電子内で両電極がショートした際に発火事故へ発展する危険があります。

リチウムイオン電池について詳しく解説した記事はコチラになります。

強みや弱みについてもっと知りたいという方は次の関連記事をご覧ください。

ニッケル水素電池

ニッケル水素電池

ニッケル水素電池とは、電池の中にニッケル水酸化物と水素吸蔵合金が使用されている電池のこと。

ニカド電池中のカドミウムを水素吸蔵合金に置き換えた構造であり、充放電反応の際に電極の溶解/析出反応が生じないため高い化学安定性を有しています。

ニッケル水素電池は他の二次電池より内部抵抗が小さく、放電時に大きな電流を流すことができます。

一端子あたりの電圧が低いことから乾電池の代わりにも使えます。

しかし、まだ電池容量が残っているのに継ぎ足し充電を行うと、次の放電時、容量が充電を開始した付近まで減った際に電圧が急降下して機器の停止などが引き起こされます(メモリー効果)。

また、負極に高価な元素を用いることから電池が高価格となりやすく、使用しないまま放っておくと、ひと月に20〜30%の容量が自然と放電されてしまいます。

ニッケル水素電池はラジコンカーや電動工具など、短時間に多くの電流が必要な場面で良く用いられています。

ニッケル水素電池の強みや弱みについてもっと知りたいという方は以下の関連記事をご覧ください。

鉛蓄電池

鉛蓄電池

鉛蓄電池とは、鉛を電極に使用した二次電池のこと。

1850年代にフランスのガストン・プランテにより開発され、それ以来、自動車のバッテリーや電動フォークリフト用電源など様々な場面で使われてきました。

鉛蓄電池は一端子あたり2Vほどの電圧があり、ニッケル水素電池やニカド電池(ともに1.2V程度)と比較し高い電圧を示します。

そのため、高い電圧を得たい時、直列接続する電池数を少なくできるのです。

電極の鉛は安価に仕入れられるので電池の製造価格が抑えられます。

既にリサイクル体制も確立されており、環境にやさしい二次電池といえます。

ただ、重量や体積が大きいため、機器の中で電池が占める体積がどうしても大きくなりがちです。

電解液に硫酸を用いるので液漏れ時に人体へ悪影響をもたらすほか、「サルフェーション」という電極が劣化する現象によって電池が起動しなくなる場合も。

鉛蓄電池について詳しく解説した記事はコチラになります。

強みや弱みについてもっと知りたいという方は次の関連記事をご覧ください。

最後に、一次電池(充電ができないタイプ)と二次電池(充電ができるタイプ)の使い分け方について解説します。

一次電池との使い分け方

一般的に、一次電池は電圧が安定しており、自己放電が少なく長期保管することができます。

そのため、少ない電力を長時間必要とする機器や災害用電源に適しています。

具体的には時計やリモコン、懐中電灯やラジオなどが挙げられます。

一方で二次電池はエネルギー密度が高く、使い終わっても充電して再度使用可能です。

したがって、大きな電力を頻繁に使用する機器への使用が適しています。

使用例としては、ノートパソコンやスマートフォン、電動工具などが挙げられます。

一次電池と二次電池は持つ特性が大きく異なります。

性能やコストを考慮したうえで使い分けることが必要です。

最後に

一次電池に関する解説はこれで以上となります。

皆さんの疑問解消の助けになれば幸いです。


参考文献

リチウムイオン電池 – パナソニック (panasonic.com)
電池の基本構成と充放電の原理:知っておきたい 電池の仕組み(2)(4/6 ページ) – EDN Japan (itmedia.co.jp)
リチウムイオンバッテリーの自己(自然)放電とは?基礎・基本を学ぶ – 株式会社 長谷川製作所 (e-hasegawa.co.jp)
充電式電池のメモリー効果とは?(メモリー現象とは?) PZ18111 – ニッケル水素電池&充電器 – Panasonic
よくあるご質問 | ニッケル水素電池 | 川崎重工業株式会社 (khi.co.jp)
負極材料 │ FDKの保有技術 │ 研究開発 │ FDK株式会社
鉛蓄電池について<バッテリーの基礎知識>|インフューズ (infuse-net.com)
電池の活躍の場 | 一般社団法人 電池工業会 (baj.or.jp)

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この記事を書いた人

株式会社菅製作所

北海道北斗市で、スパッタ装置やALD装置等の成膜装置や光放出電子顕微鏡などの真空装置、放電プラズマ焼結(SPS)による材料合成装置、漁船向け船舶用機器を製造・販売しています。
また、汎用マイコン・汎用メモリへの書込みサービスも行っています。

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