
グローブボックスの中でサンプルを準備したあと、成膜のために別室の装置まで運んでいる。
研究開発の現場でよく見られる光景です。
密閉容器に入れて運んでいるから大丈夫、と考えたくなりますが、嫌気性の材料を扱う場合、この搬送工程が実験結果のばらつきを生む原因になっていることは珍しくありません。
そこで検討されるのが「グローブボックスと成膜装置を接続する」というアプローチです。ただし、その実現手段は一つではありません。既設のグローブボックスに成膜装置を直結する方法もあれば、そもそも最初からグローブボックスを備えた成膜装置を選ぶという選択肢もあります。
この記事では、大気非暴露を実現する4つの選択肢を整理し、大学の研究室や少量試作の現場で現実的に選べる構成はどれなのかを解説します。
グローブボックスと成膜装置を接続する目的|「大気非暴露」が結果を左右する
グローブボックスと成膜装置を接続する目的は、サンプルを一度も大気に触れさせずに、前処理から成膜までを完結させることにあります。これを一般に「大気非暴露」と呼びます。
大気中の水分や酸素と反応する材料(例:リチウムイオン電池材料、有機EL材料)を扱う場合、搬送中のわずかな暴露が膜質やデバイス特性を左右します。
大気に触れた瞬間、試料の表面で何が起きるか
材料によって現れ方は違いますが、共通しているのは「表面から壊れていく」という点です。
たとえばペロブスカイト太陽電池では、ペロブスカイト層へ侵入する酸素や水分による欠陥が耐久性に大きく関与することが報告されています[※1]。ペロブスカイト層と電子輸送層の界面が劣化に関わることも指摘されています[※2]。このため、積層途中の大気暴露が界面状態を変化させる可能性があります。
硫化物系の固体電解質はさらに深刻で、大気中の水分と反応して硫化水素(H₂S)を発生します[※3][※4]。これは特性劣化にとどまらず、安全上の問題も伴います。
「数十秒なら大丈夫」が通用しない理由
現場でよく聞くのが「移動は1分もかからないから問題ない」という判断です。しかし、表面分析の世界ではこの前提が通用しないことが知られています。
深さ数nmの極めて浅い領域を対象とする表面分析では、大気中の水分や酸素が引き金となって化学状態の変質が生じる場合があるとされています[※5]。成膜においても、次の層を積む相手はまさにその数nmの表面です。そのため、短時間の暴露でも界面特性に影響する可能性があります。許容時間は材料と目的によって異なるため、一律には決められません。
汎用の密閉容器で手運びする場合に残る3つのリスク
「密閉容器に入れて運べば大気非暴露になるのでは」という考え方は、専用のトランスファーベッセルと対応導入系を使う場合には正しく、実際に研究現場でも用いられています(後述する方式③)。一方、装置へ直接ドッキングできない汎用容器では、次のリスクが残ります。
- 装置への移し替え時の暴露 — 装置側に専用導入系がなければ、容器を開けて試料を移す工程で大気に触れる
- 密閉状態のばらつき — 容器の漏れ率、封入時の残留雰囲気、置換手順によって保護性能が変わる
- 作業手順の属人化 — 封入、置換、搬送、開封の手順差が再現性に影響する
大学・企業R&Dで深刻な影響は「再現性の低下」
上記のリスクが実験結果に及ぼす影響で、最も厄介なのが再現性の低下です。
大気暴露の影響は「必ず失敗する」という形では現れません。「うまくいく日といかない日がある」という形で現れます。そのため原因の切り分けが難しく、材料組成やプロセス条件を疑って何ヶ月も費やす、といったことが起こります。
大学の研究室では学生が数年で入れ替わるため、暗黙知として蓄積された「うまくいくやり方」が引き継がれず、代替わりのたびにデータが揃わなくなる、という問題にもつながります。企業の試作評価では、そのばらつきが材料そのものの評価を誤らせるリスクになります。
接続には4つの選択肢がある|「後から繋ぐ」だけが答えではない
大気非暴露を実現する手段は、大きく4つに整理できます。検索して出てくるのは①②の情報が中心ですが、③④を含めて比較しないと、自分の環境に合った答えは見つかりません。
①既設グローブボックスに成膜装置を直結する
グローブボックスの側面や底部に成膜装置を接続し、ボックス内から直接基板をセットする構成です。
サンプルを、グローブボックス内の窒素やアルゴンで置換された環境から出さずに受け渡せることが利点です。ただし、実際の清浄度はグローブボックス内の酸素・水分濃度、接続部の気密性、隔離機構、材料のアウトガスなどにも左右されます。接続部の設計・製作・据付が必要になり、保守時にグローブボックス側へ影響が及ぶ構成もあるため、導入前に隔離方法まで確認する必要があります。
②ロードロック室・トランスファーユニットを介して接続する
グローブボックスと成膜装置の間に中間室(ロードロック室)を設け、ゲートバルブで仕切りながら基板を受け渡す構成です。
ゲートバルブで各室を隔離できる設計では、成膜装置側を独立して真空引き・大気開放できることが利点です。保守時の影響範囲を小さくでき、複数の成膜装置を1つの搬送機構につなげる構成にも展開できます。ターゲット交換やメンテナンスの方法は装置ごとに異なるため、隔離範囲を事前に確認してください。
③搬送容器(トランスファーベッセル)で運ぶ
グローブボックス内でサンプルを専用容器に封入し、不活性ガス雰囲気または真空を保ったまま装置まで運ぶ方法です。
「接続」ではありませんが、容器と装置側の導入系が適切に設計・運用されていれば、大気非暴露搬送が可能です。たとえば硫化物固体電解質の研究では、グローブボックス中でトランスファーベッセルに試料を充填し、大気非暴露のまま軟X線吸収分光測定を行った例が報告されています[※6]。分析受託でも、グローブボックス内でトランスファーベッセルにセットし、アルゴン雰囲気を保持したままXPSの専用導入系を介して超高真空の装置内に導入する運用が行われています[※7]。大学の共用設備でも、非大気暴露型トランスファーベッセルを備えたXPSが提供されています[※8]。
装置間が離れている場合や、既設のレイアウトを変更できない場合の現実解です。ただし、装置側にも対応する導入系が必要になる点に注意してください。
④グローブボックス一体型の成膜装置を選ぶ
最初からグローブボックスを備えた成膜装置を、1台の装置として導入するという選択肢です。
個別に大型グローブボックスと接続機構を設計する構成より、設計調整を減らし、省スペース化しやすい方式です。少量成膜・研究開発用途では、有力な選択肢になります。ただし、ガス・電源・排気などのユーティリティ接続や据付作業は必要です。
検索段階では「接続」というキーワードで探すため見落とされがちですが、個別の接続設計を減らせる方式として、検討初期の候補に入れる価値があります。
4つの方式を比較する
| 比較軸 | ①直結 | ②ロードロック介在 | ③搬送容器 | ④一体型 |
|---|---|---|---|---|
| 清浄度を維持する設計のしやすさ | 高い | 高い | 容器・導入手順に依存 | 機種仕様に依存 |
| 設置スペース | 大きくなりやすい | 中〜大 | 小 | 小さくしやすい |
| 導入費用 | 高くなりやすい | 中〜高 | 低く抑えやすい | 中程度が目安 |
| 導入までの期間 | 長くなりやすい | 中程度 | 短い | 比較的短い |
| 設計・工事の負担 | 大 | 中 | 小 | 小 |
| 装置メンテナンス時の影響 | 隔離設計に依存 | 小さくしやすい | 原則なし | 機種構成に依存 |
| 既設装置の活用 | 条件付き | 条件付き | しやすい | 原則、新規導入 |
| 拡張性 | 接続設計に依存 | 高くしやすい | 装置間連続処理には不向き | 機種による |
※上表は一般的な傾向です。必要な酸素・水分濃度、ポート形状、隔離機構、搬送距離、既設設備、保守条件によって評価は変わります。費用と納期は、同一要件で個別に比較してください。
大学・少量試作で「グローブボックス一体型」が現実的な理由
前章の④について、なぜ研究開発の現場で有力な選択肢になるのかを掘り下げます。
スペースの問題|研究室に大型グローブボックスは置けない
大型のグローブボックスは、本体だけでなく精製ユニット、ガスボンベ、パスボックスのスペースが必要です。そこに成膜装置と接続部が加わると、専用の一室に近い面積を占有します。
多くの大学研究室、そして企業の開発部門の一角では、この面積を確保できません。「接続の技術的な検討」以前に、置き場所の段階で計画が止まるというのが実情です。
一体型の装置は、個別に大型グローブボックスと接続機構を設ける構成より、設置面積を抑えやすいのが利点です。たとえば菅製作所のグローブボックス付きスパッタ装置SSP2500Gは、2元カソードのシングルタワー型で、本体寸法はW750mm×D1081mm×H1918mmです[※9]。実際の必要スペースは、保守空間、ユーティリティ、搬入経路を含めて確認してください。
予算の問題|3つを別々に揃えると何が起きるか
グローブボックス本体、成膜装置、接続部の設計・製作。この3つを別々に調達すると、費用は単純な合計にとどまりません。
- 仕様のすり合わせに複数社が関わり、調整工数が発生する
- 接続部の設計・製作が個別対応(=一品もの)になる
- 据付・立ち上げが複数回に分かれる
- 不具合が起きたときに、責任範囲の切り分けが必要になる場合がある
一体型は窓口を一本化しやすい一方、要求清浄度や処理サイズによっては個別構成が適する場合もあります。価格は構成依存のため、「一体型のほうが必ず安い」とは限りません。
運用の問題|グローブボックスの維持管理は誰がやるのか
見落とされがちですが、グローブボックスは買って終わりの装置ではありません。精製ユニットの再生、酸素・水分濃度の監視、ガス供給の管理といった日常業務が発生します。
大型のグローブボックスほどこの負荷は大きくなり、少人数の研究室では特定の学生や担当者に依存しがちです。
装置に必要な範囲で設計された簡易型グローブボックスであれば、管理対象を限定しやすくなります。SSP2500Gの場合、真空置換可能なアクリル樹脂製の簡易型グローブボックスを装備しており、グローブボックス本体とパスボックスの両方で真空引きと窒素ガス置換が可能な構成になっています[※9]。
見落とすと後悔する条件|基板だけでなく「ターゲット」も交換できるか
一体型装置を比較検討するとき、必ず確認していただきたいのがこの点です。
グローブボックス付きを謳っていても、基板の出し入れだけに対応し、ターゲット(成膜材料)の交換は装置を大気開放して行う設計になっている場合があります。
嫌気性のターゲット材料を使う研究では、これでは目的を達成できません。ターゲット交換のたびに材料が大気に触れ、成膜前に既に表面が変質しているからです。
SSP2500Gは「ターゲット、ウエハーをGB内で開封できる」ことを特徴として掲げており、大気中の水分や酸素に曝さずに基板の交換およびターゲットの脱着が可能とされています。製品ページでは「お客様の声から生まれた」装置として紹介されています[※9]。
ALDの場合|構成を選べる機種という選択肢

ALD装置でも同様の考え方が適用できます。菅製作所のラインナップでは、グローブボックス付きの卓上型ALDであるSAL1000G、そしてデポ方向・グローブボックス・ロードロック室を選択できるSAL3000が用意されています[※10]。
第2章で整理した②(ロードロック介在型)と④(一体型)を、同じ機種の中で選べる構成です。目的が「材料の変質を防ぐこと」なのか「他装置との連結を見据えること」なのかによって、選ぶべき構成が変わります。
→ SAL1000Gを含む卓上型ALDの違いや選び方は、【卓上ALD装置】省スペースで研究開発を加速する「SAL1000シリーズ」をご覧ください。
装置を増やしたくなったら|トランスファーユニットで後から複合化する
ここまでは「1台で完結させる」話でした。しかし研究が進めば、スパッタで下地を作り、ALDで保護膜を載せ、アニールで膜質を整える——といった多段プロセスを大気非暴露のまま通したくなります。
このとき重要になるのが、装置を後から連結できる設計になっているかです。
「拡張可能型」という考え方
菅製作所のラインナップには、スパッタ装置のSSP2000Plus・SSP3000Plus、ALDのSAL3000Plus、アニール装置のSAN2000Plus、蒸着装置のSEV2000Plusといった「Plusシリーズ」があり、これらは拡張可能型として位置づけられています[※10]。
最初から全構成を揃えるのではなく、必要になった段階で装置を足していくことを前提とした設計思想です。
トランスファーユニットで複数台を連結する
拡張可能型装置どうしをつなぐのが、トランスファーユニットです。基板の受け渡しやロードロック機能を担う基板搬送アームで、菅製作所のSTR2000はPLUSシリーズ3台までと連結できる省スペースの自動基板搬送アームとされています[※11]。
これにより、対応するPlusシリーズを組み合わせて、スパッタ→ALD→アニールといった処理を大気非暴露で連続して行う構成を検討できます。対応基板サイズや搬送条件などの詳細は、構成ごとにメーカーへ確認が必要です。
→ 複合化できる装置や搬送機構の仕様は、STR2000 トランスファーユニットで確認できます。
単年度予算でも段階的に整備できる
このパートが、大学の研究室にとって最も重要です。
研究費の執行年度や予算上限によっては、複合装置を一括導入することが難しい場合があります。
拡張可能型の装置であれば、次のような段階導入が可能になります。
| 年次 | 導入するもの | この時点でできること |
| 1年目 | スパッタ装置(拡張可能型) | 単体で成膜。搬送は手運び |
| 2年目 | ALD装置(拡張可能型) | 2種類の成膜が可能に |
| 3年目 | トランスファーユニット | 2台を連結し、大気非暴露で連続処理 |
重要なのは、最初の装置選定の時点で将来の拡張条件を確認しておくことです。トランスファーユニットと装置の接続方向の設計を間違うと、後で接続することができない場合があります。
導入済みの装置も、改造で複合化できる場合がある
「もう装置を持っているが、拡張可能型ではないかもしれない」という場合も、諦める前に確認する価値があります。
菅製作所では自社装置の導入後の改造にも対応しており、改造事例のひとつとして「トランスファーユニットを介した別装置との複合化(Plusシリーズ)」が挙げられています[※9]。そのほか、機能追加、特殊形状用サンプルホルダーの製作、ガス導入系の追加、ロータリーポンプからドライポンプへの置き換えなども対応範囲とされています[※9]。既設機の改造可否は、メーカー、機種、製造時期、現在の仕様によって異なります。
接続・一体型を選ぶ前に確認すべき技術要件
方式が絞れてきたら、次は仕様の詰めです。問い合わせ前にここを整理しておくと、検討が大幅に早くなります。
真空置換とガス置換、どちらが必要か
グローブボックス内の雰囲気を作る方法には、真空引きによる置換と、不活性ガスによる置換があります。
扱う材料の性質によって必要な方式は変わり、両方に対応できることが望ましいケースもあります。SSP2500Gの簡易型グローブボックスは、本体・パスボックスともに真空引きと窒素ガス置換の両方に対応しています[※9]。検討中の装置がどちらに対応しているかは、必ず確認してください。
どこまでの清浄度が必要かを、材料から逆算する
「酸素・水分ともに1ppm以下」といった仕様は魅力的ですが、すべての研究に必要なわけではありません。過剰な仕様はコストと管理負荷に直結します。
一方で、要求水準が高い材料もあります。硫化物系全固体電池の作製環境として、露点−80℃を維持できるグローブボックスが適するとする事業者の運用例があります[※4]。これはすべての材料・工程に共通する規格値ではありません。
まず「自分の材料は何と、どのくらいの速さで反応するのか」を押さえること。ここが仕様決定の出発点です。文献値が見つからない場合は、酸素・水分濃度や暴露時間を変えた試作と分析により、許容条件を段階的に確認します。通常のテスト成膜だけで、必要清浄度を直接決定できるとは限りません。
なお、SSP2500Gの公開仕様は真空引き・窒素ガス置換に対応する「簡易型グローブボックス」であり、到達する酸素・水分濃度は製品ページに明記されていません[※9]。ppmレベルなどの管理が必要な場合は、精製循環機構、濃度計、リーク性能を含む構成を個別に確認してください。
基板サイズ・加熱温度・膜厚分布の要求水準
装置選定で後戻りが効かないのがこの3点です。
- 基板サイズ — 将来的に大きくする可能性があるか
- 基板加熱温度 — SSP2500Gは300℃、SSP3000シリーズは最大800℃と機種で差があります[※10]
- 膜厚分布 — SSP2500Gはφ100mm以内で±5%以下[※9]。菅製作所の公開情報では、同社ALD装置は最大4インチウエハーで±3%以下とされています[※12]
要求値を先に決めてから機種を絞り込むと、比較が一気に楽になります。数値は装置仕様上の値であり、膜種や成膜条件、基板形状によって実際の結果は変わります。
設置環境のチェックリスト
- クリーンルーム設置の可否 — 施設の設備基準によってはドライポンプが求められるため、設置先の条件を確認します
- 冷却水・電源容量・床荷重
- 搬入経路 — 装置が入らない、というのは実際に起こります
RF電源を使う装置は、電波法上の確認が必要
これは事前に知らないと、導入直前で慌てることになる論点です。
電波法第100条は、高周波利用設備の設置について許可を求めています[※13]。電波法施行規則第45条は、通信設備以外の「各種設備」として、高周波エネルギーを負荷へ直接与える、または加熱・電離などに用いる設備のうち、50Wを超える高周波出力を使用するものを挙げています[※14]。ただし、設備の用途、出力、法令上の区分や適用除外によって手続きの要否は変わります。
13.56MHzのRF電源を搭載するスパッタ装置は、仕様によって高周波利用設備の許可対象となり得ます。導入前に装置メーカーと、設置場所を管轄する総合通信局へ確認してください。e-Gov電子申請でも、高周波利用設備の設置許可について、相談窓口を所管の総合通信局と案内しています[※15]。菅製作所は、申請書への必要事項の記載方法など、装置導入に関わるサポートを行うとしています[※9]。
導入の進め方|まずテスト成膜で確かめる
相談から据付までの流れ
- 要件の整理 — 材料、基板、目標膜厚、設置スペース、予算枠
- 方式の絞り込み — 本記事の第2章の4方式から候補を2つ程度に
- 必要に応じてテスト成膜 — 実際のサンプルで成立するかを確認
- 仕様確定・見積 — テスト結果を踏まえて構成を決定
- 予算申請・稟議 — テストデータを根拠資料として活用
- 製作・据付・立ち上げ
購入前に、自分のサンプルで確かめる
装置選定で最も確実なのは、実際に成膜してみることです。
菅製作所では、自社保有のデモ機によるシリコンウエハーまたは支給サンプルへのテスト成膜サービスを行っています。装置導入を前提としない依頼も相談できますが、同社の案内ではすべて有償で、処理量や膜質保証には一定の制限があります。対応基板サイズは最大4インチです。
得られた結果は、装置仕様の検討や予算申請・稟議の検討材料として活用できます。ただし、試験結果が量産条件や別構成での性能を保証するものではないため、適用範囲を確認してください。
→ 対応装置・依頼方法・事前に準備する情報は、スパッタ・ALDなど成膜装置のテスト成膜は1枚から依頼可能で詳しく案内しています。
問い合わせ時に伝えると話が早い情報
以下を整理してから相談すると、初回のやり取りで具体的な提案まで進みます。
- 扱う材料と、嫌気性の程度(何と反応して、どのくらいで変質するか)
- 基板のサイズ・材質・1回あたりの処理枚数
- 目標膜厚と、許容できる膜厚分布
- 基板加熱の要否と温度
- 設置予定スペースの寸法(天井高、搬入経路も)
- クリーンルームか一般実験室か
- 将来的に他の成膜装置と連結する可能性の有無
- 希望時期と予算枠
導入実績
菅製作所の装置は、大学の研究現場で使用されています。北海道大学 大学院情報科学研究院 ナノエレクトロニクス研究室(スパッタ装置)、北海道大学 量子集積エレクトロニクス研究センター(ALD装置)、東京都市大学 理工学部機械工学科機械材料研究室(放電プラズマ焼結装置)などの導入事例が公開されています。
→菅製作所「導入実績」
まとめ|「接続する」より先に、構成そのものを見直す
グローブボックスと成膜装置の接続を検討するとき、多くの方は「既設のグローブボックスに、どうやって装置を繋ぐか」という問いから出発します。
しかし、大気非暴露を実現する手段は4つあります。
- ①直結 — 高い清浄度を維持しやすいが、実性能は気密性や隔離設計に依存する
- ②ロードロック介在 — 保守性と拡張性のバランスが良い
- ③搬送容器 — 既設レイアウトを変えずに実現できる
- ④一体型 — 接続作業そのものが発生しない
大学の研究室や少量試作の現場では、④の一体型や、②の考え方で拡張可能型を段階導入する構成が有力候補です。ただし、既設設備や要求清浄度によって最適解は変わります。
判断に迷う場合は、まず材料の許容酸素・水分濃度を文献や段階的な暴露試験で整理し、候補装置では自分のサンプルによるテスト成膜を行います。必要仕様と試作の目的を分けて確認すると、構成を絞り込みやすくなります。
菅製作所は、グローブボックス付きの成膜装置から、トランスファーユニットによる複合化、導入後の改造まで対応しています。「うちの環境で何ができるか」の段階からご相談ください。
テスト成膜サービスの詳細を見る / 装置構成について相談する
参照文献
- [※1]物質・材料研究機構(NIMS)「ペロブスカイト太陽電池で高い光電変換効率と長期耐久性の両立へ大きな前進」(2024年2月5日)
- [※2]NIMS NOW「『ペロブスカイト太陽電池』実用化の壁に立ち向かう」
- [※3]富士フイルム和光純薬「固体電解質材料」
- [※4]JFEテクノリサーチ「硫化物系全固体電池の試作・評価サービスを開始」(2020年9月1日)
- [※5]パナソニック プロダクト解析センター「表面分析」
- [※6]山本健太郎・内本喜晴「水と硫化物固体電解質の反応機構解析」あいちシンクロトロン光センター成果報告書(2021年)
- [※7]JFEテクノリサーチ「大気非暴露での表面状態分析(XPS)」
- [※8]名古屋工業大学 設備共用部門「走査型デュアルX線光電子分光分析装置(XPS)」
- [※9]菅製作所「SSP2500G」
- [※10]菅製作所「製品一覧」
- [※11]菅製作所「トランスファーユニット 製品一覧」
- [※12]菅製作所「ALD(原子層堆積)の『面内分布』徹底解説」
- [※13]e-Gov法令検索「電波法」第100条
- [※14]e-Gov法令検索「電波法施行規則」
- [※15]e-Gov電子申請「高周波利用設備許可申請」







