
新しい成膜装置の導入を検討する際、「実際に自分のサンプルでどんな膜ができるのか、購入前に確認したい」というご相談をいただくことがあります。装置は決して安い投資ではないため、まずは1枚だけ試作し、狙った膜が得られるかを確認してから導入を判断したい、というお客様の声にお応えする形でテスト成膜サービスをご提供しています。
菅製作所では、装置の新規導入を検討されているお客様を対象に、自社保有のデモ機を使ったテスト成膜サービスを行っています。
シリコンウエハーへの成膜はもちろん、お客様からご支給いただいたサンプルへの成膜実験にも対応しており、少量・単発のご依頼からご相談いただけます。
本記事では、テスト成膜・成膜実験を依頼する具体的な流れや、依頼前に確認しておきたいポイント、対応可能な装置・材料について詳しく解説します。
テスト成膜について詳しくはこちらテスト成膜とは?1枚から依頼できるサービス
装置の新規導入前に実物の膜質を確認したいというニーズ
成膜装置は決して安い買い物ではありません。カタログスペックだけを見て導入を決めるのではなく、「自社の基板・自社の目的とする膜が、実際にその装置できちんと成膜できるのか」を事前に確認したいと考えるのは自然なことです。
特に研究開発の初期段階や、新素材・新プロセスの評価フェーズでは、まず1枚だけサンプルを作って評価し、その結果を踏まえて次のステップ(追加実験や装置導入の予算申請)に進みたいというケースが多く見られます。
菅製作所ではシリコンウエハーやお客様支給サンプルへの成膜に対応
菅製作所のテスト成膜サービスでは、弊社が用意するシリコンウエハーへの成膜だけでなく、お客様が実際に評価したい基板をご支給いただき、そこへ成膜することも可能です。
ご自身の研究・開発対象そのものに成膜した結果を確認できるため、装置導入後の運用イメージがより具体的になります。
テスト成膜を依頼する2つの方法
テスト成膜のご依頼には、大きく分けて2つの方法があります。ご都合や目的に応じて選択いただけます。
来社の上、装置説明を含めてテスト成膜を行うコース
お客様に弊社まで実際にお越しいただき、装置本体の説明を受けながらテスト成膜に立ち会っていただく方法です。
成膜の様子をその場で確認できるため、操作性や成膜条件の調整プロセスなど、資料だけでは伝わりにくい部分まで把握したいお客様に適しています。
装置導入を具体的に検討されている段階のお客様に特におすすめです。
サンプルをお預かりし、弊社にて成膜を行う方法
来社が難しい場合には、サンプルを弊社宛にご送付いただき、弊社にて成膜を行ってお返しする方法もご用意しています。遠方のお客様や、まずは結果だけを確認したいというお客様に適した進め方です。
テスト成膜は有償対応となります
菅製作所のテスト成膜は、すべて有償にて承っております。
成膜手法、膜厚、使用する材料の量、対応工数などのご要望をお伺いした上で、事前にお見積もりをご案内しますので、まずはお気軽にご相談ください。
菅製作所が保有するデモ機と対応可能な成膜材料
菅製作所では、以下のデモ機を用いてテスト成膜に対応しています。いずれの装置も対応可能な基板サイズは最大4インチです。
| 装置名 | 型式 | 保有している成膜材料 |
|---|---|---|
| スパッタ装置 | SSP1000 | 二酸化ケイ素(SiO2)、チタン(Ti)、ニッケル(Ni)、アルミ(Al)、鉄(Fe) |
| ALD装置 | SAL3000/SAL1000B | アルミナ(Al2O3)用TMA、ハフニア(HfO2)用TEMAH、チタニア(TiO2)用TDMAT、ルテニウム(Ru)用Ru(EtCp)2 |
| アニール装置 | SAN2000Plus | 成膜前後のアニール処理、プラズマ処理用途 |

スパッタリング成膜(SSP1000)で対応可能な材料
スパッタ装置SSP1000では、SiO2、Ti、Ni、Al、Feといった材料の成膜に対応しています。4インチまでの基板に対応しており、シリコンウエハー上へのSiO2薄膜の堆積など、実績のある材料であれば比較的スムーズにテスト成膜を進めることが可能です。


ALD成膜(SAL3000/SAL1000B)で対応可能な材料


ALD装置では、Al2O3、HfO2、TiO2など、原子層レベルでの精密な膜厚制御が求められる材料に対応しています。
SAL3000では、4インチの基板に2種類の材料を積層して成膜することが可能です。また、封止モードを使用することで、細く深いトレンチ構造への成膜にも対応できます。
SAL1000Bは、4インチ基板への成膜に加えて、約5cc(小さじ1杯程度)までの粉体への成膜にも対応しています。なお、基板成膜のご依頼の場合は、事前にご連絡いただければ基板成膜用の仕様にセッティングした上でのデモおよびテスト成膜が可能です。
アニール処理(SAN2000Plus)による前後処理

SAN2000Plusは、成膜前後のアニール処理やプラズマ処理に使用する装置です。真空引きを行った後に加熱処理を行うことができるほか、基板にプラズマ処理を施して表面を活性化させてから成膜することも可能です。
なお、成膜材料やテストに必要な付帯設備のうち、弊社で保有していないものについては、お客様からのご支給または御購入での対応となります。段取りや費用負担の詳細については、お問い合わせの際にご相談ください。
テスト成膜の依頼方法とお問い合わせ
お電話でのお問い合わせ(弊社営業部)
お急ぎの場合や、直接詳しく話を聞きながら相談したい場合は、お電話でお問い合わせください。
050-3734-0730(受付時間 8:30~17:00、定休:土日祝)
お問い合わせフォームからのご相談
まずは文面で内容を整理してから相談したい場合は、お問い合わせフォームをご利用ください。ご希望の成膜方法、基板の材質・サイズ、膜の材料・膜厚、ご希望の数量などを合わせてお伝えいただくと、その後のやり取りがスムーズです。粉体への成膜をご希望の場合は、その旨も併せてお知らせください。
お問い合わせはこちらよくある質問
Q. テスト成膜は無償ですか、有償ですか?
菅製作所のテスト成膜は、すべて有償にて承っております。内容に応じて事前にお見積もりをご案内しますので、まずはお問い合わせください。
Q. 装置の導入を考えていなくても成膜だけ依頼できますか?
弊社装置の導入が前提でないお客様に対しても、有償にて成膜を承っております。ただし、処理量や膜質保証について一定の制限がありますので、詳細はご相談ください。
Q. 対応可能な成膜材料・膜種を教えてください
スパッタ装置SSP1000ではSiO2・Ti・Ni・Al・Fe、
ALD装置SAL3000/SAL1000BではAl2O3・HfO2・TiO2に対応しています。弊社で保有していない材料については、御支給または御購入での対応となります。
Q. 6インチサイズの基板に成膜できますか?
申し訳ございませんが、対応できません。菅製作所のデモ機で対応可能な基板サイズは最大4インチとなります。
Q. 粉体に成膜できますか?
SAL1000Bにて対応可能です。1回の処理量は約5cc(小さじ1杯程度)が目安となります。
Q. 成膜できない材料はありますか?
スパッタ成膜の場合、水分含有量が多く、10⁻³Pa以下まで真空引きできない材料は成膜が難しくなります。
Q. 成膜条件(温度など)に制約はありますか?
ALD成膜の場合、Al2O3は350℃まで加熱して成膜することでより良い膜質が得られます。それより低い温度でも成膜自体は可能ですが、可能な範囲で350℃まで昇温いただいた方が、より高品質なアルミナ膜を得られます。
Q. 依頼から成膜結果を受け取るまでどのくらいかかりますか?
社内で保有しているターゲットやプリカーサーで成膜できるという前提であれば、ご注文いただいてから約1か月で成膜が完了します。ご依頼内容(成膜手法、来社の有無、材料の準備状況など)によって前後しますので、まずはお問い合わせの上、個別にスケジュールをご相談ください。
▼動画でも詳しくお伝えしています。
まとめ
成膜装置の導入前に「まず1枚だけ試してみたい」というご要望は、決して珍しいことではありません。菅製作所では、スパッタ装置・ALD装置・アニール装置のデモ機を活用し、シリコンウエハーやお客様支給サンプルへのテスト成膜・成膜実験を1枚単位から承っています。
来社してのテスト成膜、サンプルをお預かりしての成膜のいずれの方法も選択いただけますので、装置導入をご検討中の方はもちろん、装置導入前提でないご依頼についても、まずはお気軽にお問い合わせください。
お問い合わせ先
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