TS距離って何?
スパッタリング成膜を行っていると“TS距離”という言葉をよく聞きますが、そもそもTS距離って何?という方も多いのではないでしょうか?
TS距離とはTarget(ターゲット) – Substrate(サブストレイト)間距離の略で成膜する物質側のTarget(ターゲット)と成膜される側のSubstrate(サブストレイト)=基板との間隔のことを意味します。
このTS距離をいろいろ変化させることで成膜速度、膜の質(付着強度、結晶方位、組成、反射率、表面粗さ等)が変わってきます。
TS距離が短い(=基板とターゲットが近い)と成膜速度が速く短時間で厚い膜が付きますが、プラズマと基板の距離も近くなるので熱や紫外線による基板ダメージも大きくなります。逆にTS距離が長い(=基板とターゲットが遠い)と熱や紫外線による影響は少なくなりますが、成膜速度が遅くなります。
成膜の際にはこのトレードオフの関係を理解しながら最適な成膜条件を見つけていく必要があります。ここまで聞くと「大変そう」「スパッタ成膜に手を出すのはやめておこうかな」など考えてしまうかもしれません。
しかし、スパッタ成膜は電気磁気学などの物理法則を利用した成膜手法で、最適な成膜条件さえ見つけてしまえば、同じ条件で何度でも成膜の再現は可能です。
当社ではテスト成膜サービスもご用意しております。まずはエントリーモデルのSSP1000 キュービックスパッタ装置でスパッタ成膜を試してみませんか?