半導体の基板「シリコンウエハー」ができるまでをわかりやすく解説

本記事では、シリコンウエハーについて解説します。材料としての特徴だけでなく、シリコンウエハーが使われる理由や、製造工程も解説しますので、半導体分野に関心をお持ちの方はぜひご覧ください。

シリコンウエハーとは

シリコンウエハーとは、シリコンから作られた部品であり、通常、薄い円盤状の形をしています。表面は鏡面仕上げがされており、微細な凹凸・微粒子を排除して使用されることがほとんどです。

シリコンウエハーは半導体の製造に欠かせない材料であり、基板材料として使用されています。シリコンウエハー上に回路が書き込まれ、その回路を分離して半導体を作り上げていきます。

スマートフォンやPC、クレジットカードや自動車のセンサーなど日常生活の中でも使わないことがないほど身近な存在です。

では、なぜ半導体にシリコンウエハーが使われるのでしょうか?次の項目で解説します。

半導体にシリコンウエハーが使われる4つの理由

半導体にシリコンウエハーが使われる理由は、主に以下の理由です。

  1. 資源の豊富さ(シリコンは地球上で2番目の多い元素)
  2. 高純度化しやすい(不純物を取り除きやすい)
  3. 抵抗率の制御がしやすい
  4. 安定した酸化膜を形成可能で、加工がしやすい

簡単に言い換えると、入手しやすく質の高い製品を作りやすい上に、応用もききやすいということです。

半導体の分野は日進月歩進化しており、特に小型化には目を見張るものがあります。こういった技術の発展についていくためにも、質が高い状態で加工が可能なシリコンウエハーが用いられるというわけです。

シリコンウエハーの世界シェアや今後の動き

日本メーカーのシリコンウエハーは世界シェアの50%を超えており、今後もニーズ増加によってシェアが拡大していくことが予想されます。

先述した通り、シリコンウエハーはスマホやPCなど身近なものに使用されています。ビジネスシーンや日常生活での普及度を見てわかる通り、今後益々半導体の需要が高まり、その分多くのシリコンウエハーが必要になるでしょう。

では、シリコンウエハーはどのように作られているのでしょうか?次の項目で解説します。

シリコンウエハーができるまでの製造工程

シリコンウエハーは以下のステップで作成されます。

  1. 単結晶インゴットを製造する
  2. 各種加工を行う(切断・面取り・粗研磨など)
  3. 化学的なエッチングを行う
  4. 研磨する
  5. 洗浄・検査し問題なければ半導体などに使用される

シリコンウエハーの原材料は、ケイ素が含まれる珪石です。地球上のどこにでも存在しており、この珪石に手を加え単結晶インゴットを作ってから、シリコンウエハー作りがスタートします。

まとめ

シリコンウエハーは、日常生活で目にすることは滅多にありません。しかし、目にしないだけで毎日使っているほど身近な存在です。

半導体の主な材料なため、スマートフォンやPCなどには必ず使用されています。原材料が入手しやすく、加工しやすいことからシリコンウエハーが選ばれ、今なおニーズが拡大し使われ続けている材料です。

菅製作所では、この他にも身近な技術について解説した記事を多数公開しております。特に半導体やテクノロジー分野に関心がある方向けに、わかりやすく解説しておりますのでぜひご覧ください。

参考サイト

https://www.717450.net/special/knowledge/siliconwafer/

https://www.sumcosi.com/products/faq.html

https://www.sumcosi.com/ir/glance/wafer.html

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この記事を書いた人

株式会社菅製作所

北海道北斗市で、スパッタ装置やALD装置等の成膜装置や光放出電子顕微鏡などの真空装置、放電プラズマ焼結(SPS)による材料合成装置、漁船向け船舶用機器を製造・販売しています。
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