薄膜技術は現代も未来も私たちの生活に欠かせないもの。
実際にどんなことに応用されているのかを今回は紹介します。
近い将来、私たちの命を助けてくれる研究、どんどん進むデジタルの世界でも大いに活用されています。
薄膜についてまだよくわからない方はこちらの記事も参考にしてみてください。
バイオコンピューティング技術に薄膜
科学技術は今や人間の脳に近い高度なシステム、人工知能を実現させています。
シリコン半導体などのメモリでは、記憶としての機能を既に実現。
しかし、創造の能力まで備えたシステムは未だ実現できておらず、その研究が行われています。
研究の一部として、マウスやウサギの小脳などの神経回路を培養し、神経回路機能を作る研究に薄膜技術が活用されているのです。
石英板に150マイクロメートル角の凹部と、それを繋ぐ10マイクロメータの溝を薄膜形成技術で作り、凹部にラットの脳である海馬神経細胞を7日間培養してた研究が行われています。
さらに、違う研究としては、スタンフォード大学のバイオコンピューター研究で、DNAでバイオトランジスタ生成、細胞内で動くバイオコンピュータ実現に王手をかけたよう。
参考サイト:GOZMODO
この研究で生きた生体に埋め込める超小型・超高速の装置が実現できれば、
- 体内で薬を患部に運ぶインテリジェントな超小型機
- 人体の細胞分裂の回数を追跡し、ガンになったら破壊できる生物学的モニター
が可能になるかもしれません。
このようなバイオコンピューティングの研究が将来私たちの健康に役立つものが実現できそうですね。
電子機器と薄膜
21世紀は、液晶画面やプラズマディスプレイ、LED、有機ELを使った平板表示装置(FPD)の時代。
コンサート会場や画面やオーロラビジョンはメートルサイズ、厚さは数センチメートルの装置で臨場感溢れる映像が楽しめるのが魅力です。
これらは薄膜の薄さの絶対的な有利さを最大限に利用し表示を行うもの。
集積回路に比較すると、加工寸法はかなり大きいので薄膜技術としては楽ではありません。
何メートルといった面積がある一つの表示素子の中に不良がひとつでもあると、素子全体が不良となります。
完璧なものを作るためにも薄膜技術は大事なポイント。ミクロの世界で作る巨大世界なのです。
通信網と薄膜
現代はテレビ・ラジオ・携帯電話・インターネットなどで気軽に情報収集できます。
こうしたことができるのは、カメラ、マイク、記憶装置、配信するマイクロ波、ケーブルなどの通信網が発達しているから。
これらの通信網には、薄膜技術を中心として作られた膨大な部品、デバイス、集積回路が使われています。
薄膜技術は世界の情報を支えているといっても過言ではありませんね。
また、テレビやエアコンなど電化製品に使用されるリモコンは、パソコンや携帯電話を使えば外出先や勤務先からも操作できるまで進歩しています。
近い将来、ロボットでも家庭の人間に代わって家事をこなす時代もやってくるかもしれませんね。
未来でも薄膜は重大な役割をになっているでしょう。
薄膜を形成する装置の紹介
研究や現在の生活を支える薄膜技術。薄膜形成に欠かせないのは「装置」です。
菅製作所では薄膜形成する装置を製作しています。ここでその製品をいくつかを紹介しましょう。
スパッタ装置
SSP1000
卓上型RFスパッタのエントリーモデル納入後でも成膜方向をアレンジ可能
SAN1000
基板への高温加熱処理(アニール)や不活性ガス導入による熱処理時の圧力コントロールが可能。
ALD装置
SAL1000B
粉体への全周囲成膜を可能にしたALD卓上型の研究開発用成膜装置
SAN1000
基板への高温加熱処理(アニール)や不活性ガス導入による熱処理時の圧力コントロールが可能。
スパッタ装置やALD装置に関しては紹介した以外にも製品はございます。
蒸着装置も取り扱っていますので、詳しくは製品一覧をご確認ください。
まとめ
薄膜が研究や身近なところでどのように使われているのか紹介しました。
現代も未来も薄膜技術は欠かせないもの。
目に見えない技術が私たちの生活を支えていたのですね。