「真空」はよく聞く言葉ですが、どんな特徴があるのかご存知でしょうか。
今回は、真空が持つ5つの特徴をわかりやすく身近な例で説明します。
掃除機、蛍光灯、歯医者など普段使っている物には意外と多く真空の原理が活用されていたのです。
目次
「真空状態」の5つの特徴
真空技術は、工業的な技術や宇宙開発、高エネルギー物理学研究などの最先端の科学技術にも利用されています。
様々な場面で応用される「真空」とは一体どのような状態なのかわかりやすく5つの特徴を紹介します。
- 大気圧を感じる
- 酸素が少なくなる
- 熱や音が伝わりにくくなる
- 蒸発しやすい(沸点が低くなる)
- 放電しやすい
それぞれ詳しく解説していきましょう。
真空状態の特徴1.「大気圧を感じる」
真空とは、大気圧より低い圧力の状態を示します。
この時に生じる差は、吸着や搬送、吸引、ガス置換など多くの使われ方があります。
歯科治療の口腔内バキューム、血圧検査の真空採血管、酪農用搾乳機、真空ピンセット・バキュームリフトなど多くの使用例があります。
真空状態の特徴2.「酸素が少なくなる」
真空中では、気体の密度が希薄なため大気圧状態に比べ酸素が少なくなります。
酸素が少なくなることを応用したものが、缶詰や真空パックによる保存食品。
また、半導体の集積回路素子、発光ダイオード(LED)やハードディスクなどの製造には酸素の除去が必須なので真空技術は欠かせません。
真空状態の特徴3.「熱や音が伝わりにくくなる」
真空状態は空気が少なくなるので、熱伝導もなくなります。
この断熱手法が、身近な魔法瓶で利用されていたり、住宅の窓の断熱ガラス、断熱材、国際宇宙ステーションからの試料回収用断熱カプセルにも応用されました。
真空状態の特徴4.「蒸発しやすい」
真空中では、大気中よりも蒸発が行われやすい環境にあります。
蒸発しやすいことを利用して、真空蒸着による金属を含めたコーディングや、食品の冷凍乾燥に利用されています。
蒸発しやすいことを応用して作られたのが、薄膜を形成する「真空蒸着装置」。
真空蒸着装置についてはこちらの記事も参考にしてみてください。
真空状態の特徴5.「放電しやすい」
真空中に起こる放電の状態はプラズマと呼ばれ、プラズマを用いた表面処理、蛍光灯、ネオンサイン、プラズマテレビに利用されています。
さらに、半導体集積回路素子の製造、太陽電池などにも用いられています。
真空放電の中で薄膜を作る技術がスパッタ装置です。
まとめ
今回は、真空状態の特徴を身近な例と薄膜技術も交えながら説明しました。
真空をよりわかりやすく理解できれば幸いです。
菅製作所では、真空の技術を生かし薄膜形成に欠かせない装置を作っています。
また、テスト成膜サービスも承っていますので、気軽にお問い合わせください。
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