お祭りで売られている風船や、声を変えるジョークグッズとして売られているヘリウムガス。
今回は、ヘリウムの性質や特徴に加え、社会ではどのように活用されているか、歴史など解説していきます。
身近にあるものや、イメージしやすい物を例にしていますのでお気軽に読み進めてください。
ヘリウムの性質と特徴
ヘリウムの性質は、空気より軽く、不燃性、そして宇宙で2番目に多く存在する点です。
しかし、地球の大気中には約0.0005%しか存在しない激レア元素。
「激レアならヘリウムガス吸って声高くしてる場合じゃないでしょ」と思われるかもしれませんが、実は空気から作れないだけで、天然ガスから分離・精製することができる為、枯渇しないのです。
また、ヘリウムはかなり低い温度でしか液化しない性質を持っています。
では、ヘリウムは社会でどのように活用されているのでしょう?
具体例と共に見ていきましょう。
ヘリウムの社会での活用方法
空気より軽い、かなり低い温度でしか液化しない(約-296℃で液化)性質を持つヘリウムは、「飛ぶ風船」や「MRI」、「ロケットの発射」など様々な場面で活躍しています。
ヘリウムが役立つ「飛ぶ風船」
100円均一などで売っている風船を、自分で膨らませても飛びませんよね。
しかし、お祭りで売られている風船はプカプカ中に浮き紐を離すと空まで飛んでいきます。
これは、空気より軽い性質を持つヘリウムを充填しているから。
ヘリウムガスで声が高くなるのも同じ理由で、空気より軽いヘリウムは、空気より速く音を伝えているから、声道で共鳴する音の振動数も高くなり声が高く聞こえるのです。
ヘリウムが役立つ「MRI」
人間ドックなどで使用されるMRI。
強力な磁場を使い人間の体内を輪切りしたように撮影できる機械ですが、そのMRIにはヘリウムが必要不可欠です。
強力な磁場を得るために超電動電磁石を使いますが、使い続けると熱を持ちます。
一定以上の温度になると、電流が熱に変わってしまい、撮影ができません。そこで、ヘリウムのかなり低い温度でしか液化しない特徴を使うのです。
具体的には、液化ヘリウム(約-269℃)を使用し、冷やし続けます。
ヘリウムが役立つ「ロケットの発射」
ロケットの燃料には、液体水素と液体酸素が使用されています。では、ヘリウムはどこに使われているのか?
それは、液体水素と液体酸素を送り出すガスとして使用されています。液体水素は-253℃であり、普通の液体ではそうそう押し出せません。
しかし、-269℃まで液化しないヘリウムであれば、この液体水素に圧力をかけ送り出すことができます。しかも、酸素や水素と混ざりにくいため、押し出す役割だけを果たしてくれるのです。
なぜ液体水素と液体酸素が使われているかは、以下の記事で解説しています。
ヘリウムの歴史
元素記号:He
英語名:Helium
ヘリウムの語源は、ギリシャ神話の太陽神ヘリオスから取られています。
なぜ太陽神なのか?
それは、ヘリウムが1868年の皆既日食で発見された元素だからなんです。宇宙を見ていたら発見した元素、ロマンがありますよね。
まとめ
今回は以下の点について解説させていただきました。
- ヘリウムは空気より軽く、-296℃まで液化しない
- 「飛ぶ風船」、「MRI」、「ロケットの発射」などで使用される
- 名前の由来は太陽神ヘリオスであり、太陽で発見された
他の元素が気になる方は、以下の記事にてまとめております。
是非ご覧ください。
【元素一覧】基礎的な元素から最新まで身近な例でわかりやすく解説!
参考サイト
全般
性質と特徴
ヘリウムガス
MRI
ロケット
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