「ニッケルって何に使われているかよくわからない、名前だけしか知らない」
そのような方は多いと思います。しかし、実はほぼ毎日目にしている元素なのです。
この記事では、ニッケルの性質、社会で何に使われているか、語源と発見の歴史についてご紹介。
特に、社会での活用方法は身近なものを紹介しているので、ぜひご覧ください。
ニッケルの性質と特徴
ニッケルは鉄と銅の中間的な性質を持つ元素です。反応し辛い安定な金属であり、メッキに使用されたり、クロムや鉄と混ぜられステンレスになるなど実は日常的に目にしている元素の一つです。
ニッケルは高い融点を持ち、1453℃まで耐えます。さらに腐食、酸化に強く合金化が容易と、非常に扱いやすいことが特徴の金属。
では、社会でどのように使われているのか、一つひとつ見ていきましょう。
ニッケルの社会での活用方法
ニッケルは「硬貨」、「電池」、「ステンレス鋼」などの成分として使用されています。それぞれ見ていきましょう。
硬貨
日本の100円玉、50円玉は銅とニッケルを合わせた合金(白銅)です。一つ前の500円玉はニッケル黄銅が使われており、新しい500円玉はニッケル黄銅、白銅、銅を組み合わせて作られています。また、昔の50円玉は純粋なニッケル製でした。
余談ですが、新しい500円玉は上から見ると「JAPAN」の文字が、下から見ると「500YEN」の文字が浮かび上がるのでぜひお試しあれ。
電池
ニッケルは電池にも使用されています。大きく2つ存在し、今まで使われていた「ニッカド電池」、そして最近注目を浴びている「ニッケル水素電池」です。
ニッカド電池は正式名「ニッケル-カドミウム電池」の充電可能な電池です。負極側に水酸化カドミウム、プラス側に水酸化ニッケルが使われています。しかし、カドミウムが有害物質であるという事実もあり、現在ではニッケル水素電池が多く使用されています。
ニッケル水素電池は、水酸化カドミウムに代わり水素吸蔵合金を用いることで人体や環境に無害かつ再充電可能な電池として活用されています。代表的な製品ですと「エネループ」などはニッケル水素電池ですね。
ステンレス鋼
冒頭でも紹介した通り、クロムなどとニッケルと組み合わせた合金であるステンレス鋼は多くのものに使われています。例えば、フライパンやキッチンシンク、建築分野などなど。
ステンレスは錆に強く、金属アレルギーになりにくい性質を持っています。特にサージカルステンレスはステンレスの中でもアレルギー性の低いもので、アクセサリーや医療器具にも使用されています。
ニッケルの歴史
- 元素記号:Ni
- 英語名:nickel
ニッケルの語源は、「悪魔の銅」を意味するサクソン語「kupfernickel」です。銅鉱石に似ていながら精錬しても銅が得られないことから悪魔の銅と呼ばれており、悪魔の銅から取り出せた元素を「nickel」と呼びました。(kupferは銅という意味)
発見については、スウェーデンの鉱物学者アクセル・フレドリック・クローンステットにより発見、命名したのもこのクローンステットさんです。
まとめ
今回は「ニッケル」について解説させていただきました。この記事のポイントは以下の通り。
- ニッケルは錆びにくく合金化しやすい=使いやすい金属
- 「硬貨」、「電池」、「ステンレス鋼」などに使用される
- 語源は悪魔の銅「kupfernickel」から銅「kupfer」を抜いた「nickel」
高校で勉強する他の元素については、以下の記事にてまとめております。併せてご覧いただけると、更に理解が深まるのでぜひご覧ください!
参考サイト
ニッケルについて
Periodic Table Ni
【2022年版】ニカド電池製造メーカー3社一覧 | メトリー
解説!新しい500円貨 : 財務省
生活に身近な金属ステンレスとは?安価で錆びにくいなどの魅力が満載
【2022年版】ニッケル製造メーカー8社一覧 | メトリー