真空装置とは、真空の状態を利用した装置を指しており、目的に応じて真空システムを設定し作業をおこないます。昨今の産業の発展、そして様々な用途、研究においてなくてはならない装置の一つです。
そこで、今回は真空装置を取り扱う菅製作所の真空装置8種類と、全17機をご紹介いたします。
研究機関や新素材開発において検討されている方はぜひ参考にしてみてください。
目次
①サンプル表面をリアルタイムで二次元マッピングする光放出電子顕微鏡(PEEM)
光放出電子顕微鏡とは、サンプルに紫外光などの波長の短い光を照射することにより、サンプルから放出される光電子を検出する電子顕微鏡です。
〈用途〉
薄膜の成長過程や触媒反応の動的過程の追跡を主な用途とします。また、ガスの吸着や円偏光紫外線光を用いたスピン観察などにも応用可能です。
〈製品〉
MyPEEM
日本唯一の汎用型光放出電子顕微鏡。レンズや組立によって生じる収差を補正するために、独自開発した二段の静電型補正器を搭載しています。
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②スパッタリング現象を利用した成膜装置のスパッタ装置
スパッタ装置とは、プラズマ放電下でイオン化させたArガスを高速でターゲットに衝突させ、衝突により叩き出されたターゲット原子が対向する基板に付着するスパッタリング現象を利用したPVD方式の薄膜形成装置です。
〈用途〉
主に金属膜、絶縁膜、電導膜、保護膜、反射膜、触媒、コーティング、回路、電池、MEMS、新素材開発など研究開発の用途として活躍します。
〈製品〉
SSP1000 キュービックスパッタ装置
卓上型RFスパッタのエントリーモデルです。卓上型でもΦ100mm膜厚分布±5%以下の性能で、上位モデルと同じカソード構造を採用しています。
キュービックスパッタ装置の名のもとに成膜方向の変更や置き方の選択ができるなど設置環境にも対応できます。
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SSP2000Plus 拡張可能型スパッタ装置
実験にも使いやすいミドルモデルで、ALDやアニール装置との複合化が可能な二次元カソードのスリムタワーです。STR2000と連結することでロードロック室の機能が備わります。
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SSP2500G グローブボックス付きスパッタ装置
真空置換可能な簡易型グローブボックス(アクリル樹脂製)を装備しており、大気中の水分や酸素に曝さずに基板の交換及びターゲットの脱着ができます。ターゲット、ウエハーをGB内で開封可能。
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SSP3000 上位モデルスパッタ装置
多機能型で三次元カソードの高性能モデルのスパッタ装置です。視認性と操作性に配慮したタッチパネルの設計や、成膜室を排気系を搭載した本体と電気制御系の架台が一つにまとまったデザインを採用など外観や機能も充実。
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SSP3000Plus 高性能モデルの拡張可能型スパッタ装置
Plusシリーズの装置と連結することで実現するALD装置での積層や、アニール装置による加熱処理やガス置換処理等と組み合わせた高度な薄膜製造プロセスが可能です。
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➂高膜質・段差被膜性の高い成膜が可能なALD装置
ALD装置とは、原子層1層枚の精密で均一なコントロールを行い、凹凸部に対しても高膜質・段差被膜性の高い成膜が可能な、研究開発用の小型原子層堆積装置(ALD=Atomic Layer Deposition)です。
〈用途〉
前駆体と呼ばれるプリカーサボトルに入れた原料を成膜材料として、水やオゾンとの表面化学反応により酸化膜(AL2O3、HfO2、SiO2、TiO2)の成膜をすることができます。
〈製品〉
SAL1000 デスクトップ型ALD装置
ALD装置のエントリーモデルで、手軽に1原子層ずつの薄膜をつくることができます。シンプルで簡単な操作性、持ち運びしやすいデザイン性で卓上型の動かしやすさを重視しています。
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SAL1000B 粉体成膜用ALD装置
SAL1000Bは、粉体への全周囲成膜を可能にしたALD装置。最大の特徴は、傾斜+回転+振動で粉体へ成膜が可能なことです。粉体への全周囲成膜を可能としたことにより、新素材の開発などに活躍します。
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SAL1000G グローブボックス付きALD装置
ウエハーまたは粉体への成膜が可能な、機能・性能を兼ね備えた卓上型ALD装置。グローブボックスを装備することで、酸化や大気と反応する嫌気性の材料を用いた成膜ニーズに対応するモデルです。
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SAL3000 機能充実の小型ALD装置
SAL3000は、従来の標準型から横幅を4割小型化させたモデル。従来からあるデポダウン方式の仕様に加え、基板へのパーティクル付着をより低減できる「デポアップ」タイプをご用意しております。
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SAL3000Plus 拡張可能型ALD装置
SAL3000の成膜性能を維持したまま本体の大幅な小型化に成功した製品。更に、他の装置との複合化も実現による幅広い成膜プロセスに対応した高性能なALD装置です。
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④熱源に設置した金属材料を蒸発させ基板へ成膜する蒸着装置
蒸着装置とは、真空中で金属や金属酸化物などの成膜材料を加熱し、基材や基板の表面に蒸発した原子を付着・堆積させて薄膜を形成する装置です。
〈用途〉
水晶振動子による膜厚計で膜厚管理可能な研究開発に適しており、基板上に基板上に金属膜または酸化膜などを成膜することを目的としています。
〈製品〉
SEV2000Plus 研究開発用小型蒸着装置
SEV2000Plusは、タッチパネルから排気操作を自動で行え、各種インターロックにより誤作動も防止可能。小型な省フットプリントと、Plusシリーズの装置との拡張が可能なのも特徴です。
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⑤基板への高温の熱処理が可能なアニール装置
アニール装置とは、基板への高温の熱処理、ガス置換が可能な装置です。また、不活性ガス導入による熱処理時の圧力コントロールも可能。
〈用途〉
ウエハーを真空中で高温の加熱処理をすることにより膜の改質が行えます。
〈製品〉
SAN1000 卓上アニール・窒化処理装置
SAN1000は、4インチまでの基板を赤外線照射により、真空中またはガス雰囲気中のクリーンな環境で加熱処理ができます。更に冷却機構を備えているので、処理後の基板を短時間で取り出すことも可能です。
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SAN2000Plus プラズマ処理が可能なアニール装置
SAN1000同様クリーンな環境で加熱処理ができます。それに加え基板表面の有機膜、金属膜の除去、表面改質などが可能なプラズマプロセス技術や基板成膜の前工程処理と後工程処理を1台2役と機能性にも富んでいます。
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⑥ウエハーを真空下で装置へ運ぶトランスファーユニット
トランスファーユニットは、ALD装置やスパッタ装置、アニール装置など最大3大の装置を自由に組み合わせれる複合装置用基板搬送ユニットです。
〈用途〉
装置動詞の基板搬送を担う中核装置の役目を担い、ロードロック質としても使用可能です。また、複合化できるため基板を大気に曝さずに各装置のプロセスチャンバーへ受け渡すことができます。
〈製品〉
STR2000 トランスファーユニット
コアチャンバーにフロッグレッグトランスファー(基板搬送機構)と矩形ゲートバブルを組み込んだ構造で、高い品質と性能、信頼性、安全性、低コストを実現しました。
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⑦より高い精度で温度制御ができる加熱炉
加熱炉とは、物体を所定温度まで加熱し、圧延や鍛造、溶融など多目的に用いられます。主に金属に可展性、延性などを増加させるために使用します。また、圧力制御に加えガスや水蒸気の導入も可能です。
〈用途〉
環状炉を搭載し、石英やセラミックスの炉心管を加熱する雰囲気炉。研究開発用途に適した雰囲気制御システムを選択・構築することができます。
〈製品〉
SAF3000 雰囲気制御加熱炉
SAF3000は、炉心管内に熱電対が取り付けられた管状加熱炉です。炉体自動スライド機構により、炉体を移動させる事で急加熱および急冷却を可能にしました。
バッチ式水蒸気導入、蒸留水製造機を用いた連続水蒸気導入に加え、蒸気トラップを用いた水蒸気量調整もできます。
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⑧宇宙環境試験などに利用可能なスペースチャンバー
スペースチャンバーとは、人工衛星やスペースシャトルなどの構成部品や材料の耐宇宙環境性の評価などに利用できます。小型化によって航空宇宙産業の関連分野で広く活躍していくでしょう。
〈用途〉
ハイパースペクトルセンサーのPFM(プロトフライトモデル)試験、各種観測機器の性能評価、打上げロケット搭載部品の環境試験などに多様な実験が行えます。
〈製品〉
Φ1mスペースチャンバー
小型部品の評価として扱いやすく、冷却シュラウドも装備した本格派装置。導入ポートを豊富に備えているので、多用途に対応可能です。
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まとめ:真空装置をお求めの方は菅製作所にお任せください!
今回は、北海道北斗市の菅製作所で取り扱っている真空装置の種類・製品をご紹介してきました。
弊社では、真空装置として成膜後の膜質改善用途に、アニール装置を使用していたり、真空装置・真空設備の構成に必要な真空配管部品を提供しております。
サービスや修理・改造などのサポートもおこなっておりますのでご希望の方はお問い合わせください。
株式会社菅製作所
〈本社〉
〒049-0101
北海道北斗市追分3-2-2
TEL:050-3734-0730